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歴史を遡りますと、ちょうど100年前、東京丸の内のシンボル的存在となる丸ノ内ビルヂングが竣工しました。鉄筋コンクリート造、地上8階、地下2階、延床面積約6万2000㎡は、当時最大であった東京海上ビルの約3倍という規模です。日本で初めて、ビル内を自由に通り抜けできる十文字のショッピングモールをつくるといった画期的な試みがなされ、話題を呼んでいます。このビルの完成により、オフィス街の代表「丸の内」のブランドが確立されました。同年には日本郵船ビル、日本興業銀行本店ビルなども相次いで竣工しています。9月には関東大震災が発生したものの、幸いにも倒壊は免れました。
一世紀が経過した現在、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)では東京を中心にテレワークの導入が大きくすすみ、2021年度の首都圏全体におけるテレワーカー率(当該年度までにテレワークを経験した就業者の割合)は38.9%(2019年度は17.6%)となり、前年度に続いて増加しています。種別にみると、管理職、研究職、専門・技術職、事務職、販売・営業職で高くなりました。テレワークを実施したことのない就業者も含めた今後のテレワーク実施意向に基づく場合、テレワーカー率は首都圏全体で約5割に達するという調査結果もあり、職種別では管理職の一部を除き、2021年度実績よりも概ね増加が見込まれ、特に事務職や販売・営業職での増加が顕著です。テレワーク実施場所は自宅が多く、今後のテレワーク実施意向に基づく場合も含め、いずれの都県においても9割を超えています。2021年度のテレワーカー率(実績ベース)に基づいて、各市区町村の職業別就業者人口割合から市区町村別の自宅テレワーカー率を推計すると、特に東京都区部で高く、40%を超える地域もあり、25%以上となる地域は概ね都心から60km圏内です。
市区町村別の自宅テレワーカー率や就業者ひとりあたりの平均自動車通勤距離などから通勤時に自動車を使用している全自宅テレワーカーが在宅勤務した場合を想定し、一日あたり最大の二酸化炭素削減量を都県別に推計すると、2021年度の自宅テレワーカー率による削減量(実績ベース)は首都圏全体で約2337トン(削減率9.7%)となっており、埼玉県や千葉県が大きいそうです。また、就業者の今後の自宅テレワーク実施意向に基づく二酸化炭素削減量は、実績ベースと比較して各都県で大幅に増加し、首都圏全体で4554トン (削減率18.9%)となります。なお、削減量を就業者ひとりあたりに換算すると、実績・実施意向ベースともに、茨城県、栃木県、群馬県が特に大きくなりました。国際エネルギー機関によれば、世界でテレワーク可能な人が自宅でテレワークをした場合、家庭での二酸化炭素増加に比べ、通勤など個人の移動が減少することによる削減量の方が大きいそうです。2020年度の全国の温室効果ガス排出量は前年度比5.1%減と大きく減少しました。
在宅勤務によるテレワークでは、自宅での活動時間が増加する一方、オフィスで活動する人員は減少します。新たな働き方は、移動だけではなく働く場所でのエネルギー消費にも大きな変化をもたらすことから、オフィスビルにおいても整備・運用面での更なる省エネ化が必要です。オフィスなどの建物におけるエネルギー消費実態としては、照明・コンセントや空調熱源のエネルギー負荷が大きく、これらの要素を削減することが効果的といえます。首都圏では、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物であるZEB(Net Zero Energy Building)の整備もすすめられ、これらの施設では高効率の設備、太陽光発電設備など、省エネ効果の高い技術が導入されているところです。テレワークによって人員が減少するなか、オフィスの運用においてエネルギー消費量の削減効果が期待されており、弊社でも所有している自社使用のオフィススペースはもとより、全国で所有・管理する物件においても、エネルギー消費量の削減に努めて参ります。