2024.02.13社長ブログ

いつか見た光景

年はどういうわけか年明け早々から思いもよらず、する事が次々にできて、1月もあっと言う間に過ぎ、2月に入ってもそれは続きます。ようやく先週末には一区切りがついたところでした。
とりわけ、5日(月)は天気予報が何日か前から言っていた通り、昼おそくから雨が雪に変わりだしたのです。

総務から、社内チャットで早帰りの指示が午前中に出て、午後5時を回った頃には、殆んどの皆さんが三々五々帰ったのですが、中には少し経ってから、会社に傘を取りに引き返してきた社員もいたようです。
きっと外は雨になったのでしょう。その後「雪だ!」との声も聞こえたことからすると、この頃に新宿は雨が雪に変わったのだと思います。
小生は、7日の都内でのIRに備えて資料作りをして、帰りが午後の8時を回った頃になったと思いますが、セキュリティをかけて通用口のドアーを開け、ひとたび表に出てみると、既に雪は大降りとなって、前の通りも、駐車してある車までも覆い隠さんばかりの勢いでした。
滑らないよう前屈みに歩いて、当社バスの停めてあるあたりまでくるとだんだん吹雪いててきて、交差点あたりはビル風も手伝ってか、傘がさせない程に降る荒れようでした。

帰宅してほっとした後、食事をしようとテーブルにつくやいなや、落雷が何度となくその音を響かせます。すぐに窓を開け夜空にスマホを向け、稲妻を撮ろうと待ったのですが、寒くなって窓を閉め、カーテンを引くとまた落雷です。
どうもタイミングが合いませんが、撮るのをあきらめ、TVニュースと共に食事を始めれば、TVも新宿駅や渋谷ハチ公前からLiveで雪の様子を伝えています。この光景は以前にも見たことのある、東京に大雪が降った時に現れる、同じパターンで、以前の光景を思い出させます。

そんな雪の後遺症もあってか、大雪の翌日の当社IRはお客様が予定の半分ぐらいの40名弱と少な目ですが、当日の午後は晴れたものの、足もとの悪い中こられた投資家の皆さんには、お礼を述べてさらに丁寧に説明を行いました。
それにしても、東京は首都高も止まり、雪に弱いですね。

そんな幕開けの一週間でしたが、ようやく週末に区切りがつき、3連休前夜の自宅でゆったりとして読む新聞は、至福の境でもあります。
夕刊の一面には日経平均が一時3万7000円台に乗せるのは、1989年のバブルの頂点に近い頃で、34年振りだそうです。
また、その記事の下には、NY株連日最高値の記事が踊り、なんだか怖いくらいです。

本日も小生のブログにアクセス頂きましてありがとうございます。

「バブルは低金利で始まり、利上げとともに終わる」とは良く言われることですが、米国の金利は、長期(米国債10年物年利回り)は4.15%です。短期金利(政策金利)は4.6%で前回から▲0.5%下方修正され、1回で0.25%ずつ3回の利下げが織り込まれていますが、まだまだ高い水準です。
米国の金利は充分高いにも拘らず、先行き下がると織り込んでの株高で、高値更新が続いています。まだまだ金融緩和資金(コロナ資金も含む)がジャブジャブなんですね。

翻って日本の株高はどうでしょうか。円安で輸出大企業は業績を大きく伸ばしていますが、中小企業は円安による材料高、人手不足による人件費高との板ばさみで苦戦を強いられています。生産性やGDPはそれ程伸びていず、パイは拡大していないのにも拘らず、株価がこれ程までに上がってくるのは一体どうしてでしょうか。

理由はいくつかあると思いますが、何と言っても中国の存在は欠かせません。現在の中国政府が様々に行っている、1990年代の日本の株式市場でとられたPKO(プライス キーピング オペレーション)は当時の日本を思い出します。
例えば中国政府系ファンドによる株式の買い増しや、条件付での空売り禁止という締めつけ、株安による証券行政トップの交替など、構造的な問題には触れず、PKOで株価を支えようとすれば、昔の日本のバブル崩壊による不良債権問題(不動産貸付における)と同じ道を辿ることになるのではないかと心配しています。

結局、隣国の日本が辿った「失われた20年とか30年と言われる」道の入口と同じ場に立っているのではないでしょうか。
日本に学べば株価PKOより、不動産による不良債権処理を優先しなければならないのに、学んでいないのかもしれませんね。
そんな中国の政策を見限った投資家がITの爆発的広がりを見せる米国や、アジアの中ではまだましな、日本に資金をシフトしてきたと考えてもおかしくはありません。

と言うことになれば、日経平均株価が史上最高値に近づきつつある現下こそ、日本の現実を冷静に見定めることも大切かもしれません。
日銀の当時のPKOの名残りであるETF(上場投資信託)を、未だに大量に保有していることも再考しなければいけませんね。しかし今まで、日本株価底割れを何度も救済して頂いたETFを、今更売却なんてとても言えませんし、日銀も売りませんね。

       本日のボンドランチ
  いつか見たではなく、いつも見ている光景

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