2023.12.04社長ブログ

どんでん返し

気の早いコンビニなどは、11月の半ばを過ぎれば、クリスマスケーキやおせちの予約が始まります。12月に入る少し前から正月用品が店頭に並びだして、「えっ!もう12月」と思わず口に出る程に、時の流れの早さを自覚します。それも年々、速度が次第に増していくのです。とうとうと言うべきか、今年も終わるかと思うと、なんとなく「焦り」のようなものを感じます。

当社には、変わり種の女性従業員がいます。彼女はしっかり真面目に勤務するかたわら、演劇の脚本を書き、かつ演出も手がけるのです。玉組という劇団を創って、芝居を打っているのです。
コロナ騒ぎで何本か公演をつぶしてしまい、久しぶりの公演となるので、手はじめに小劇場で、時季に合わせ二人芝居「オバケのイブイブ」を、舞台にかけることになったというのです。早速友人を誘って予約を入れ、観に行きました。
場内は3~40人の満員状態で舞台は始まります。

登場人物は二人だけなのですが、そのセリフとシチュエーションから「場所」「立場」「状況」などが徐々に判明してきます。幼馴染の女性二人(その一人は豪邸敷地内の、ガレージに隠れ住む)と大きな敷地と豪邸のオーナーである老婦人と、彼女らを取り巻く人達によって織り成される、あるできごと(クリスマスのイブイブに起きた重大な局面)が劇の中で展開されるのです。青暗い舞台が強い光によって幕が開きます。ガレージに隠れ住む女性に幼馴染のもう一人の女性が、何年も音沙汰無しだったのに、突然会いに来るシーンから始まります。実はその女性も豪邸の中の一部屋にオーナーの老婦人の計らいで、4か月前から住んでいたのです。ガレージの住人に会いに来て、昔話などをするのですが、結末は会いに来ていた女性は実はイブイブに亡くなっていて、オバケで会いにきていたと言うお話です。

その二人が、ガレージの小窓から豪邸で動き回る人々を、双眼鏡で見ながら光景を描写するのです。それがやがて、会いに来ている幼馴染のお葬式であるという事が判明します。どんでん返しの結果となるのです。役者さんのセリフ回し、途中の挿入歌そして泣くべきところで本物の涙を流すシーンなど「えっ!もうそんなに時間が経ったの」と思うくらいの、迫真の演技で、観客を楽しませてくれました。
それを観終わって外に出れば、師走の風は、意外に暖かく、忘年会の帰りの人でしょうか、駅を目指しているようです。

今日も、小生のブログにアクセスして頂き有難うございます。

米国の株式市場は、11月末頃は何日かの続伸後、11月30日には520ドル高の年初来高値をつけました。インフレが落ち着き24年には利下げが始まるのではとの観測を織り込みつつ、連日のように続伸を続けてきました。
しかしパウエルFRB議長が12月1日の講演で話されたように、「利下げの時期について憶測するのは時期尚早」とコメントする一方で、「今後は追加引き締めに対するリスクも考慮していく」と微妙な言い回しを示して牽制しています。

本当に米国のインフレはそんなに早いペースで収束するのでしょうか。ウクライナVSロシアでの戦争とイスラム組織ハマスせん滅を掲げるイスラエルの攻撃がさらに加速すれば、世界のエネルギー、食料、貿易、地政学的リスクに広く影響して、それが「パーマクライシス(長期にわたる危機)」になるのではと心配する専門家もいます。加えて感染症や高インフレの継続、気候変動など様々な危機が、途切れなく襲ってくることが、かなり高い確率で予想される時代です。23年にその兆候が現れて、24年には更に色濃く続く気配があります。

そうなると、今、金融市場も金融緩和の低金利と低インフレのほどよい安定した時代に幕を下ろし、構造的な高金利時代のとば口に、差し掛かっているのではないでしょうか。そこに政治的なリスクや、化石燃料から再生可能エネルギーへの変換等々が加われば、市場のリスクプレミアムとして、インフレをさらに押し上げるのではないかと思われます。

日本にとっては、来年に迫る台湾総統選挙、ロシア大統領選、米大統領選の結果次第では、今まで遠いウクライナや中東の問題で、当事者意識が希薄でしたが、今度は、日本自身の身近な問題となってくるかもしれません。例えば、ないとは思いつつも、トランプ氏がもし再選されたら、米国は内向き志向となり、台湾や日本、ひいてはアジア全体が不安定化するかもしれません。

景気後退局面でこれらの危機が複合的に起きると、1973年の第4次中東戦争や1991年の湾岸戦争の時のように、株式市場をはじめ世界経済がどんでん返しとなる危険性すらあると思うのですが…
こんな時代においては、構造的な変化を好機と捉え、それを転換させ生かせる臨機応変さ(劇で言えばアドリブ)が、必要になると思います。

 開演時間までの時間潰しのはずが、追加注文ですっかり晩御飯

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