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早いもので、間もなく8月も終わり、9月に入ります。9月1日は防災の日です。1923年9月1日に発生した関東大震災を忘れることなく災害に備えようと、伊勢湾台風襲来の翌年である1960年、閣議決定で制定されました。関東大震災は、明治時代以降の日本の地震被害としては最大規模のものであり、死者・行方不明者は10万人を超えています。神奈川県と東京府(現東京都)を中心に、茨城県から静岡県までの内陸と沿岸に及ぶ広範囲にわたって、甚大な被害をもたらしました。
この関東大震災発生の当日、開館式の準備に追われていたのが、帝国ホテルの当時の新館(1968年に解体済み)です。米国の建築家であるフランク・ロイド・ライトが設計したものですが、周辺の多くの建物が倒壊したり、火災に見舞われたりするなかで、小規模な損傷はあったものの、ほとんど無傷で変わらぬ勇姿をみせていたとか。既に米国に帰国していたライトは、後日、このことを日本人の弟子からの手紙で知り、狂喜したそうです。
2019年7月、帝国ホテル東京、東京電力ホールディングス本店ビル、NTT日比谷ビルなどと一体で、内幸町一丁目街区の一部として、複数の高層ビル建設が報道されました。主体となる事業者は三井不動産とNTT都市開発です。帝国ホテル東京については、タワー館を2030年度に完成させ、本館も2036年度に完成する予定となっています。
その帝国ホテル東京ですが、株式会社帝国ホテルの有価証券報告書によれば、2021年3月末現在、簿価18.41億円に対し、時価706億円です。時価が簿価の38倍超となり、含み益は687.59億円になりました。なお、直近の通期決算(2022年3月期)では、開発段階のため、把握することが極めて困難であるという理由から、時価の記載はなされておりません。
こちらは簿価ではなく、路線価になりますが、相続税対策のひとつとしておこなわれているものに、土地の活用があります。土地は相続財産に占める比率が高く、大きな節税効果を得られるからです。それもあって、今年4月19日の最高裁判決は大いに注目されました。
相続財産のなかで、土地は時価より低く評価できるルールがあります。路線価は、市場価格に近い公示地価の8割程度で算出され、建物を誰かに貸している場合は、評価額を下げることも可能です。今回の一件は、これらの仕組みを用いて相続税をゼロと申告した相続人に対し、税務当局が、時価を反映していないとして追徴課税の措置をおこない、その取り消しを求め、相続人が国を訴えていたものになります。
最高裁は、原告が多額の借入金をもとに相続税評価額を大幅に減らせる賃貸不動産を取得し、相続税をゼロと申告したことを著しく不当とし、追徴課税を認めました。今後、不動産による節税効果があまりにも大きいと、行き過ぎた節税、租税回避の温床になるとして税務当局から指摘されやすくなるでしょう。 さて、弊社は不動産賃貸が主力事業あり、主に賃貸マンションを全国で所有しております。2021年9月末現在、簿価135.27億円に対し、時価181.87億円です。含み益は46.6億円です。今後も市場価値の高い不動産の取得に努め、それらの家賃収入を分配原資としたi-Bondの規模拡大を図って参ります。