2024.05.20社員ブログ

カーボン・クレジット・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 2ヵ月ほど前になりますが、経済産業省で、第6回「カーボン・ニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」が開催されました。カーボン・クレジットとは、企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などをおこなうことで生まれた二酸化炭素など温室効果ガスの削減効果をクレジット(排出権)として発行し、他の企業などとの間で取引できるようにする仕組みです。削減努力をしても、どうしても削減しきれない温室効果ガスの排出量に合わせ、カーボン・クレジットを購入することで、排出量の一部を相殺することができます。欧米企業を中心にカーボン・クレジットの需要は増加中で、日本でも企業間で活用の動きは広がり、2013年にはカーボン・クレジットを国が認証するJ-クレジット制度がスタートしました。2050年カーボン・ニュートラル、SDGs(持続可能な開発目標)などの流れを受け、カーボン・クレジットの需要は更なる増加が予想されており、国際取引を含めたカーボン・クレジット市場の整備がすすめられています。

 クレジットは大きく分けると、排出回避・削減、固定吸収・貯留の2種類です。再生可能エネルギーの導入や、設備効率の改善、燃料転換、輸送効率改善などによって、それらをしなければもっと出ていたものを減らした、それらをしたことで排出を回避した、というものと、植林や森林管理、耕作地管理、沿岸域修復、草地保全などによって、二酸化炭素の吸収・固定化をしたというものになります。今回の経済産業省での検討会における議論のポイントのひとつは、国際的には吸収系クレジットの方法論が確立されはじめているなか、日本における吸収系クレジットについてどのような方向性が考えられるのか、でした。2050年カーボン・ニュートラルの達成に向け、世界的には排出回避・削減はもちろんですが、それよりも固定吸収・貯留の取り組みへの注目が集まっており、議論もすすんでいます。ただ、日本のJクレジット制度では、固定吸収・貯留の取り組みを評価できる方法がきちんと整備されていません。そこでJ-クレジット制度でも、より積極的に後押しできるよう、規程類・方法論の整備をすすめる必要があるという認識で議論がすすめられています。

 国内ではまだ活用例は少なく、いかに広げていくのかが課題です。世界では、農地貯留を対象としたクレジット創出ビジネスを展開するスタートアップが登場していたり、欧州のクレジット認証機関では、木炭や竹炭といった生物資源を材料とした炭化物であるバイオ炭(原料となる木材や竹に含まれる炭素は、そのままにしておくと微生物の活動などによって分解され、二酸化炭素として大気中に放出されてしまう。)のクレジットも続々と発行されています。日本は遅れをとっている状況といわざるを得ません。

 さて、弊社でも微力ながら、脱炭素化の取り組みを実施しているところです。例えば、所有する物件に電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを導入することで、物件に入居されていたり、その地域にお住いの方々の脱炭素化を促進するとともに、地域活性化、地域利便性の向上を推進しています。弊社でできることは限られておりますが、これからも脱炭素化に注力して参ります。

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