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7月も下旬となり、子どもたちも夏休みに入っています。家族で海水浴に出かけられた、あるいは、これから出かける予定の方も少なくないでしょう。海水浴で海岸へいくと、浜辺に打ち上げられたごみを目にすることがありますが、これらはそのほんの一部でしかなく、多くのごみが海に流れ出しています。なかでも特に目立つのがプラスチックごみです。海洋ごみの大半を占め、海洋環境や生態系に大きな影響を与えるとして問題視されていることは、皆様もよくご存じかと思われます。
WWFジャパンは、企業の2025年コミットメントにより、プラスチック諸問題の早期解決を図るプラットフォームとして、プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025を立ち上げ、活動を開始しました。WWF(World Wide Fund for Nature)は世界100ヶ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されています。人と自然が調和して生きられる未来をめざしてサステナブルな社会の実現を推しすすめており、急激に失われつつある生物多様性の豊かさの回復と、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向け、希少な野生生物の保全や、持続可能な生産と消費の促進をおこなっているところです。
現在、プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025にコミットメント(社会への公約)を表明した企業はキリンホールディングス、サントリーホールディングス、資生堂、日本航空、日本コカ・コーラ、日本水産、ネスレ日本、ユニ・チャーム、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス、ライオンの10社となっています。例えば、日本航空では、資源循環型社会の実現に向け、グループ環境方針に基づき、様々な取り組みを推進中です。そのなかでも、地球温暖化や海洋汚染の原因となる使い捨てプラスチック問題を重要な課題として認識しており、昨年5月に発表した中期経営計画において、使い捨てプラスチック削減目標を打ち出しました。2025年度までに、3R(Reduce/Reuse/Recycle)+1(Redesign)の推進によって、顧客に提供する使い捨てプラスチックは客室・ラウンジにおいて新規石油由来プラスチックの全廃、空港・貨物において環境配慮素材配合へ100%切り替えを目指しています。豊かな地球を次世代に引き継ぐため、ステークホルダーとの協働を通じ、取り組みをすすめているところです。
また、ユニ・チャームは一昨年5月に公表した環境目標2030で、プラスチック問題対応、気候変動対応、森林破壊に加担しない、の3つの課題に対して2050年のビジョンを掲げ、2030年の目標を設定しました。今回、プラスチック・サーキュラー・チャレンジ2025に参画するにあたり、新たに2025年目標として、販売促進物品におけるプラスチック使用量を2019年比で50%削減し、2030年にはゼロを目指します。同じくプラスチック問題対応の2030年目標である、包装材における使用量削減や、石化由来プラスチックフリー商品の発売に向け、新たに2025年目標を設定しました。
大量生産・大量消費・大量廃棄がもたらす問題として、プラスチックによる環境汚染が、日本を含む世界中でますます深刻になっています。また、プラスチックの原料である原油を採掘してから廃棄物を処理するまでの過程で、大量の二酸化炭素を発生させます。世界の原油の使用量全体にプラスチックが占める割合は、2050年には20%に達すると予想され、プラスチックの大量生産・大量消費・大量廃棄がこのまま続けば、地球温暖化を加速させることは間違いありません。
これまでの仕組みが行き詰まりを迎えているいま、経済の担い手である企業には、将来を視野に入れた意欲的な活動が求められています。弊社は今年5月に公表した中期経営計画のなかで、重要課題として、持続可能な環境への貢献を掲げました。具体的な施策を実行していくことで、達成を目指して参ります。