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早いもので、今年も残すところ1ヵ月足らず。帰省や海外旅行など、既に年末年始の予定も決まり、楽しみにされている方もたくさんいらっしゃることでしょう。どうぞお気をつけてお出かけ下さい。
欧州80以上の民間団体の連合で都市交通のゼロエミッション(emission=排出をゼロにする)運動を展開するクリーン・シティーズ・キャンペーンは、今年7月、欧州42都市の移動手段のシェアリングとゼロエミッション化の取り組みについて調査し、格付けした結果を公表しました。同調査では、自転車と電動キックボードのシェアリング、電気自動車のシェアリング、ゼロエミッションバス、公共の電気自動車充電インフラの4つを指標とし、今年3月までの時点で、各都市がどの程度導入しているのかを基準に評価しています。トップ3はコペンハーゲン(デンマーク)、オスロ(ノルウェー)、パリ(フランス)でした。また、7位ミラノ(イタリア)、9位リビュリャナ(スロベニア)など、同団体が以前に実施したランキングでは高得点を得ていなかった都市も上位に入っています。
これらの都市が上位になった理由として、同団体は政治的意志を挙げています。上位入りした都市のリーダーは、一貫した政治的選択と時宜にかなった投資決断をおこない、移動手段のシェアリングを管理するための適切な規制の枠組みをつくっているそうです。また、移動手段のシェアリングや電動交通手段のサービスは、地下鉄網の構築など大規模インフラ事業よりも導入しやすく、安価に短期間で導入可能なため、予算が少ない都市にとっても、交通のゼロエミッション化への移行を無理なくはじめられる選択肢のひとつになっていることも指摘しています。
「カーボンニュートラル実現に重要な技術・製品の開発普及に向けて、年内に分野別投資戦略を策定する。」
今年10月初旬、岸田首相は、脱炭素に向けた投資を加速させる方針を示しました。政府は今後10年間で20兆円規模のGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債を発行し、政府資金を呼び水に官民で150兆円超の投資につなげていきます。20兆円の具体的な配分はまだ決まっていませんが、製造工程、住宅・自動車、インフラ、電源・燃料の転換、研究開発を主要5分野として集中的に投資されるようです。国内でノウハウを蓄積した脱炭素技術を海外に向けて輸出するシナリオも描いています。
工業国である日本にとって、製造工程の脱炭素をすすめるうえで、特に現実解として期待されているのが、二酸化炭素の回収技術です。製鉄所や石油精製、化学品などのプラントで排出される二酸化炭素を地下に貯留することによって排出量を大幅に削減できるため、次世代エネルギーの普及といった技術革新を待つ必要がなく、即座に導入できることが最大の売りとなっています。例えば三菱重工業は、二酸化炭素のバリューチェーンの上流から下流まで網羅する総合力をもち、グループ内で液化二酸化炭素の輸送船も手掛け、回収から輸送、貯留までシステムとして一貫した提案が可能です。
日本も脱炭素に向けて大きく動きはじめました。どれほどお役に立てるのかはわかりませんが、弊社も不動産関連企業として何ができるのかを考え、日々の事業のなかで実践して参ります。