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「50兆円台を越す 西独抜き西側で2位 昨年の国民総生産」
いまからちょうど55年前(1969年6月10日)、経済企画庁(現在の内閣府)から、日本の1968年のGNP(国民総生産)が51兆920億円になったと発表されました。日本が西ドイツを抜き、当時の共産圏を除く自由経済圏のなかで、米国に次ぐ世界第2位のGNPになっています。翌日の朝日新聞朝刊は、上記の見出しで日本の経済成長を伝えました。
日本のGNPは1966年にフランス、1967年に英国を抜き、1968年、ついに米国に次ぐ規模に達しています。高度経済成長期に入り、神武景気、岩戸景気と歴史的な名称をつけられるような、かつてない好景気が続き、1965年秋からの、いざなぎ景気を謳歌していた時期です。その後、国内の景気をより正確に反映する指標としてGDP(国内総生産)が使用されるようになりましたが、2010年に中国に抜かれるまでの42年間、日本は世界第2位の位置にありました。昨年はドイツにも抜かれ、世界第4位に後退しています。
さて、高度経済成長期以降の1960~80年代にかけて、郊外を中心にニュータウンの建設が盛んになりました。1962年に入居がはじまった国内初の大規模ニュータウンである千里ニュータウン(大阪府吹田市)など、築60年を迎えるところも増え、施設の老朽化や住民の高齢化が社会問題となっています。一方で、一定のインフラが整い、都市圏に1時間ほどでアクセスできる立地など潜在性は大きく、ニュータウンを再興しようと、民間企業の参入が活発になってきました。
高蔵寺ニュータウン(愛知県春日井市)では交通課題に着目した取り組みがはじまっています。この地域は山を切り開いたために起伏が多く、坂の多さと、その勾配のきつさが目立ちます。大日本印刷は一昨年からデジタルサイネージ(電子看板)を地域の商業施設や病院などに設置済みで、今年の実証実験では、電動自転車のシェアサイクルや乗合タクシーの利用ができる機能をつけました。高齢者でも操作しやすいような大きい画面や操作感を心がけ、来年度以降の社会実装を目指しています。KDDIも名古屋大学などと協力し、昨年2月、高蔵寺ニュータウンで自動運転送迎サービスを開始しました。名古屋大学などが自動運転(レベル2)の技術を提供し、KDDIが予約日時や目的地に応じた配車調整や経路登録の自動化、車体の遠隔監視など運行管理システムを開発しています。運転免許を返納済みの高齢者などが、買い物や通院で利用しているようです。
国土交通省などのデータをもとに概算すると、ニュータウンの居住人口は約1100万人で、住民の高齢化率が一気に高まる、1979年までに事業を開始したニュータウンにしぼっても、約700万人がいるとみられています。日本の人口の1割弱がニュータウンに居住しており、教員などその地域に通勤している関係人口も含めると、更に大きくなります。ニュータウンが抱える問題は社会全体のインパクトからしても決して無視できないものでしょう。弊社として、いますぐ何かできるわけではありませんが、お役に立てる場面があれば、対応していきたいと考えています。