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今年も残すところ、あと2週間となりました。年末年始に帰省や遠出される方もたくさんいらっしゃることでしょう。東京近郊にお住まいなら、東京駅から新幹線などを利用されるかもしれません。ちょうど109年前(1914年12月18日)、当時の内閣総理大臣であった大隈重信など1500名ほどの来賓を招き、東京駅の開業記念式典(正式開業は2日後の12月20日)がおこなわれました。1956年には地下鉄の駅も開業し、現在、日本を代表するターミナル駅のひとつであることは、皆様もご存じの通りです。
さて、東京駅に地下鉄の駅が開業した1956年には、日本初の民間分譲マンション(四谷コーポラス)も誕生しています。それ以来、マンションは主に都市部において、なくてはならない主要な居住形態として国民に定着し、今や総ストック数は約700万戸です。そして現在、2つの老いといわれる、建物と居住者の両方における高齢化が急速に進行しており、こうした傾向とあわせて様々な課題が顕在化しています。
マンションはひとつの建物を複数人で所有する区分所有という特殊な所有形態であることから、日常の維持管理や建替えに係る意思決定には、価値観の異なる区分所有者間において合意形成を必要とする困難さがあります。こうした問題意識のもと、2020年には、マンション管理の適正化や再生の円滑化をすすめる観点から、マンションの管理の適正化の推進に関する法律や、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正がなされました。また、今年度の税制改正においては、管理組合の合意形成を支援する観点から、新規の税制措置となるマンション長寿命化促進税制が創設されるなど、マンション政策の強化が図られているところです。更に、昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画を踏まえ、同年10月、老朽化した区分所有建物の管理や再生の円滑化に向け、法務省において国土交通省も参加する形で部会が設置され、区分所有法制の見直しに向けた議論がすすめられています。
マンションの管理の適正化や建替え等の円滑化をすすめていくためには、区分所有法制の見直しのみならず、マンション政策において、適切な管理水準への誘導や、良好なコミュニティの形成、合意形成の促進、事業の安定性の確保などの施策を一体となって講じていくことが重要です。そこで、マンションの管理や修繕、再生のための施策を総合的に検討していくため、マンションを巡る現状を把握し、課題を整理したうえで、マンション政策の方向性をとりまとめることを目的に、昨年10月、今後のマンション政策のあり方に関する検討会も設置され、複数回にわたって議論がなされました。
今後も法制度、マンション標準管理規約、融資制度、ガイドラインといった各種ツールが活用され、また、関係省庁、関係団体も連携して課題解決に向けた取り組みがすすめられていくことでしょう。弊社も1棟のマンションを単独ではなく、管理組合の一員として区分所有しているケースもありますので、管理の適正化や建替え等の円滑化の動向には常に注意を払い、適切な対応がとれるよう、心がけて参ります。