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明日17日で阪神・淡路大震災発生(1995年1月17日午前5時46分52秒)から28年になります。多くの犠牲者を出しましたが、この震災では、普段からの近隣や地域社会とのつながり、結びつきが極めて重要であることが再認識されました。瓦礫の下から救出された人々のうち、約8割は家族や近所の住民の協力によるものだそうです。
震源地に近く、全半壊の建物が8割と甚大な被害を受けた旧北淡町富島地区(現淡路市)では、普段からの見守りネットワーク活動が機能し、更には近隣同士の助け合い、消防団の活躍により、発災当日の午後3時過ぎには全員の安否確認が終了しました。また、地区ぐるみのバケツリレーによって、火災の拡大を食い止めた神戸市長田区真野地区での活動にみられるように、普段から支え合う関係が、大規模災害における犠牲を最小限に食い止めるために大きな役割を果たしています。普段から支え合う関係をつくり、地域社会とのつながりをもつことの重要性がみてとれるでしょう。
大昔の日本には家族団体や氏族制度があり、大化の改新後には、天智天皇が唐から五保の制を導入しました。律令制下、防犯・納税などの連帯義務を負わされた5つの戸で保を編成し、保長を中心に相互監視にあたらせています。戦国時代には町屋上下向三軒両隣という言葉ができ、江戸時代には五人組制度が登場しました。よきにつけあしきにつけ、これらは共同の責任をもち、また、お互いに助け合うという共助の考え方がありました。
しかし現代社会では、かつての向こう三軒両隣という親密な人間関係が崩壊し、隣は何をする人ぞ、といった言葉に象徴されるように、地域社会とのつながり、近隣住民との結びつきは、かつてに比べれば希薄といわざるを得ません。ただ昨今、頻発する自然災害や犯罪による地域生活への不安が高まるなか、住民たちの地域・近隣とのつながり、結びつきの必要性が再認識されるようになり、地域コミュニティにおいて自発的な取り組みもすすめられています。特に阪神淡路大震災や東日本大震災の貴重な教訓から、地域の防災活動の重要性が活発に議論され、自主防災組織の組織率は約43%(1995年)から84%(2021年)に上昇しました。
大規模災害の被害の防止や軽減、そのための諸政策などの災害対応といった災害への備え、いわゆる防災には、自ら対応する自助、ご近所などの地域コミュニティといった周囲の人たちが助け合う共助、市町村や消防、都道府県や警察、国や自衛隊といった公的機関の救助・援助の公助に分けることができます。ひとたび大規模な災害が発生したとき、被害の拡大を防ぐためには、国や都道府県、市町村の対応の公助だけでは限界があることから、自助とともに、普段から顔を合わせている地域や近隣の人々が集まり、互いに協力し合いながら防災活動に組織的に取り組む共助が欠かせません。自助、共助、公助の3つが有機的につながることで、防災は十分に機能するでしょう。
さて、公助の限界は防災に限らず、例えは社会保障もそのひとつです。政府が制度改革をすすめてはいるものの、自助は必要であり、そのひとつの手段として、是非とも弊社のi-Bondをご利用下さい。