2024.04.08社員ブログ

反ESG・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 総務省が先月21日に公表した人口推計(2024年3月報)によりますと、先月1日現在、日本の総人口(概算値)は1億2397万人で、前年同月に比べて59万人減少しました。年齢階層別では、15歳未満1403万人(全体に占める割合11.3%)、15歳以上65歳未満7371万人(同59.5%)、65歳以上3623万人(同29.2%)となっています。また、75歳以上は前年同月比72万人増の2039万人です。

 日本ほどではありませんが、米国では毎日1000人程度が60歳の誕生日を迎えており、65歳以上人口も約17%と、高齢化がすすんでいます。こうした状況下、地球温暖化や不平等の問題に取り組む60歳以上限定の団体「Third Act(第3幕)」が2021年に設立されました。環境活動家ビル・マッキベン氏が立ち上げ、直後に数千人のメンバーを獲得したといわれています。現在では米国各地にワーキンググループがつくられ、優しさをもつこと、謙虚であること、若者を支えることといった活動原則を掲げて活動中です。ワーキンググループの多くは地域に根ざしたものですが、教育関係者、弁護士、引退した労働組合員によるワーキンググループも存在しています。活動内容は、「大手銀行による化石燃料への投資を止めるために議会に手紙を書くキャンペーン」、「新聞の編集者への手紙の書き方ワークショップ」、「自分の銀行口座によって生み出される炭素排出量を計算するためのツールの提供」など、温暖化対策を中心とした取り組みが多数実施されています。その他にも、若者を支える活動もおこなわれ、選挙で投票するために必要な有権者登録を高校生に呼びかけるキャンペーンなどはその一例です。シニア世代がもっている経験やスキルを活用していく海外の事例は、日本でも何かの役に立つかもしれません。

 さて、米国ではシニア世代が地球温暖化などの課題に取り組んでいる一方、環境重視に振れたはずの石油会社が再び資源開発に軸足を置きはじめました。環境派株主と法廷で対峙する企業もあれば、株主から石油回帰を求められる企業もあります。振り子は大きく戻しているといえそうです。

 今年1月、エクソンモービルがテキサス州連邦地方裁判所で環境派株主を相手に起こした訴訟が石油業界や環境団体の注目を集めました。環境保護団体が資源会社を訴えた例はあっても、石油会社が環境派株主を相手に、株主総会ではなく、法定の場で正面から争う道を選ぶのは異例の事態です。エクソンモービルは、環境派株主が会社の既存事業を縮小させる提案を通じ、変革を求めるキャンペーンのためだけに株主になっていると指摘し、また、最小限の株式しかもたず、長期的な株主価値の増大に関心のないアクティビストは他の投資家の利益と相反するとも述べています。投資家は本来、高いリターンを目指すものだとすれば、リターン以外の価値観を掲げるアクティビストは、株主としてどう位置づけていくべきなのでしょうか。

 2015年のパリ協定において、2050年に温暖化ガス排出量の実質ゼロを目指す方針が決まり、世界的に石油や石炭の利用削減の取り組みが強まりました。2021年には、資源会社に脱炭素を強く迫る環境アクティビストが脚光を集めています。その後、ロシアによるウクライナ侵攻もあって、化石燃料の不足に懸念が強まると、環境重視に傾いていたエネルギー企業や株主が軸足を資源重視へと少し戻しはじめました。昨年は欧米企業の株主総会で反ESG提案が増えています。他業界も含め、動向を見極めながら、それでも弊社では環境へ配慮しつつ、事業の拡大に努めていくつもりです。

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