2024.02.26社員ブログ

国の格付けにも影響・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から2年が経過していますが、現在、北大西洋条約機構(NATO)では、約9万人の兵士が参加する大規模演習「ステッドファスト・ディフェンダー(不動の守護者)2024」をおこなっています。今回の演習は冷戦以降で最大規模のものです。50隻以上の空母や駆逐艦、80機以上の戦闘機・ヘリコプター・ドローン、130両以上の戦車と530台以上の歩兵戦闘車を含む、少なくとも1100台の戦闘車両が参加しています。1月中旬、NATOは2日間にわたり国防相会合を開催しました。NATO欧州連合軍最高司令官を務めるクリストファー・カボリ米国陸軍大将は会合後、ベルギーの首都ブリュッセルで記者団に対し、NATOは北米からの大西洋を横断する部隊の移動によって欧州・大西洋地域を強化する能力を実証する、と述べています。5月まで実施予定の演習の後半では、部隊をNATOの東側地域であるポーランドへ展開することに焦点が当てられ、また、演習がおこなわれる、その他の主要な地域は、ロシアから攻撃されるリスクが最も高いとみられるバルト三国、増援の拠点であるドイツ、ノルウェーやルーマニアといったNATO周縁国です。演習には加盟手続き中のスウェーデンも参加しています。

 さて、そのスウェーデンの首都ストックホルムは昨年10月、大気汚染と騒音を減らす取り組みの一環として、市内20の街区に乗り入れできる自動車を、今年の年末からゼロエミッション車に制限する計画を公表しました。近年、ストックホルムの大気が原因で、乳幼児が肺疾患を発症したり、高齢者が早死にしています。ガソリン車やディーゼル車からの有害な排ガスは排除しなければならず、ゼロエミッション・ゾーンを導入することになりました。

 大気汚染対策に取り組む都市は少なくありませんが、ストックホルムは、例えばディーゼル車の乗り入れ禁止に留まるパリ、アテネ、マドリードよりも更にすすんでいます。規制街区に乗り入れできるのは電気自動車と水素自動車で、EUが2014年から導入している排ガス規制の基準を満たせば、バイオガスや天然ガスを燃料とする自動車、プラグインハイブリッドのトラックも乗り入れ可能です。ガソリン車とディーゼル車は通行禁止となっていますが、救急車、パトカー、消防車などの緊急車両や、移動サービス車両、障害者用駐車許可証をもつ人が運転・同乗している車両は規制対象外となります。

 次も関連するお話ですが、電気とならび、脱炭素の切り札として期待されているのが水素です。そして水素のなかでも、再生可能エネルギーで水を電気分解して生成するものは、天然ガスから生成する従来の方法に比べてクリーンな水素とされ、世界的に取り組みがすすんでいます。欧米以外では、特に原油、ガスの一大産地の中東地域が、エネルギー転換を見据えて駆け込み中です。主導しているのはアラブ首長国連邦やサウジアラビアですが、石油生産量で劣るオマーンもクリーン水素に活路を見い出そうとしています。オマーンはクリーン水素の生産を2030年までに年間100万トン、2050年までに750万トンに増やす目標を掲げており、これは欧州の水素全体の総需要を上回る量に匹敵するものです。高品質の太陽光や大規模プロジェクトに利用できる広大な土地、欧州とアジアの市場ルート沿いにある地理的な条件が強みとされています。格付け会社のフィッチ・レーティングスは昨年9月、長期的にクリーン水素セクターが成功すれば、化石燃料への高い依存度をいくらか減らすことができると評価し、オマーンの格付けをBBプラスに格上げしました。

 国の格付けにも影響を与えているクリーン水素ですが、もし弊社で関与できるとすれば、例えば、自動車の水素ステーションの不動産所有・管理者などでしょうか。案件が舞い込んできましたら、検討してみたいと思っています。

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