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平成最後の日となる2019(平成31)年4月30日から5年が経過しました。同年4月1日、当時の内閣官房長官であった菅義偉氏が、「令和」と書かれた色紙を掲げ、新元号を発表しています。これを生中継でご覧になった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。平成というひとつの時代に終止符が打たれています。
昭和から平成への改元では、昭和天皇が崩御された1989(昭和64)年1月7日に公布された「元号を改める政令」により、新しい元号を平成とすること、この政令が公布日の翌日から施行されることが規定され、1月8日から元号が平成となりました。これに対して平成から令和への改元は、2017(平成29)年に制定された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」に基づいた特例的なものとなっています。
さて、平成バブルと状況は異なりますが、東京を中心に住宅価格の高騰が顕著となっているなか、平成から続いていた日銀のマイナス金利政策が解除され、借りている変動金利型住宅ローンの金利はいつ上がるのか、関心をもっている方も少なくないでしょう。変動金利型住宅ローンは、各金融機関が短期プライムレート(期間1年未満の貸出金利の基準)に一定幅を上乗せした基準金利をまず設定し、そこから顧客の信用度などをもとに定めた優遇幅を引いた水準を適用金利とするケースが一般的です。マイナス金利解除を受け、優遇幅の縮小で適用金利が上がるケースが出てくる可能性はあります。新たに借りる人はその点に注意しなければなりませんが、既に借りている人の優遇幅は、当初の水準が維持されるのが原則です。いま借りている人にとって重要なのは短期プライムレートであり、メガバンクがその水準を据え置くなら、多くの地方銀行も追随するに違いありません。
もともと2016年のマイナス金利導入時に短期プライムレートは下がらなかったため、マイナス金利解除で上げるのは理解を得にくいと銀行が判断しても不思議ではなく、そうであるなら、今回は既に借りている人の適用金利上昇が広がるのは避けられそうです。ただ、ネット銀行など一部には、短期プライムレートに連動しない方式で基準金利を決める事例もあり、金利が上がる場合もあります。また、当然ながら、今回は金利が上がらないからといって、いつまでも据え置かれるとは限りません。短期プライムレートが最後に下がったのは2009年で、日銀が無担保コール翌日物金利の誘導水準を0.1%前後に下げた後でした。現在、日銀は誘導水準を0~0.1%程度にしていますが、2009年の経緯を踏まえると、誘導水準が0.1%を超えると、短期プライムレートも上がる可能性もあります。日銀は次の利上げで無担保コール翌日物金利を0.25%に上げるとみられており、その際に短期プライムレートの引き上げが広がるシナリオに注意が必要です。
変動金利型住宅ローンは一般的に半年ごとに適用金利が見直され、日銀が利上げを決めても、適用金利がすぐに上がったり、早期に返済負担が増したりするとは限りません。とはいえ、金利のある世界への備えが徐々に必要になることも忘れてはならず、弊社の事業にも影響を及ぼし得るものであり、動向には十分注意して参ります。