2024.05.13社員ブログ

幸福度51位・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 5月も半ばとなり、来週20日は二十四節気の小満です。暦便覧(江戸時代の暦の解説書)には、万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る、と記されています。万物が成長し、天地に満ちはじめるという、幸福感あふれる季節です。一年のなかでも最も新緑が光り輝くこの時季、皆様はどのように過ごされますでしょうか。

 少し前のお話になりますが、3月20日の世界幸福デーに合わせ、国連から『世界幸福度報告書』が公表されました。最も幸福度が高かったのはフィンランド、最下位はアフガニスタンです。日本の順位は去年の47位から51位に下がってしまいました。今年は143カ国で調査がおこなわれ、2021~2023年の過去3年間の生活満足度(最低0~最高10)の平均値でランキングされています。

 今回は世界人口の高齢化を受け、幸福度と年齢の関係に焦点が当てられました。ランキングが上位の国々では若者(30歳未満)も高齢者(60歳以上)も幸福度が高く、順位の差はほとんどありません。ところが、北米や西欧では高齢者の順位と比べ、若者の順位が低い一方、東欧や中欧では若者の方が高くなっています。例えば米国(総合23位)をみると、高齢者のランキングは10位、若者は62位で、その差は歴然です。北米や西欧では若者の幸福度が下がっており、孤独や頼れる人が少ないと感じている若者が、より多いことが理由のひとつと考えられます。一方、クロアチア(総合63位)では、高齢者は80位、若者は14位と、若者の幸福度がはるかに高くなりました。クロアチアの高齢者は、1990年代初期の紛争の傷跡を負っていることが背景にあるとされています。日本でも北米と同様に、若者(73位)の方が高齢者(36位)より順位がかなり低くなりました。誰もが幸せで心が満たされる社会にしていくためにはどうしたらよいのか、それは世界に突きつけられた課題です。

 さて、日本で若者が幸福感を感じるための要素のひとつとして、経済的な満足度をあげることができるでしょう。現在、大企業を中心に大幅な賃上げが広がるなか、初任給も昨年を上回る勢いで引き上げラッシュとなっています。背景にあるのは、新卒採用の競争激化です。初任給の大幅な上昇は賃金カーブの修正にもつながり、来年以降の賃上げの持続性を占う材料にもなります。

 これまで従業員の基本給を底上げするベースアップと同様に、初任給も長年低迷してきました。ある調査会社の資料によると、1995~2022年度の大卒初任給の前年度比増加率は1%未満に落ち込み、ほぼ横ばいの時期が長く続いています。ようやく2023年度は2.84%となり、30年ぶりに2%超の増額となりました。昨年は金融や建設、ゲームなどの業界で初任給を大幅に引き上げる動きが散見されましたが、今年は製造業や流通業など幅広い業種での実施が目立っています。ベースアップが1万数千円なのに対し、初任給がそれを上回る上げ幅のところも少なくありません。労働組合の要求を超える水準の回答を示す企業もあります。

 特に目立つのは、人手不足感が強い外食業界での積極的な引き上げです。王将フードサービスは大卒初任給を5万2000円引き上げ、27万8500円にしました。ゼンショーホールディングスは2万8000円増の27万8000円です。かつては他産業に見劣りする面もありましたが、大手製造業と同等以上の水準にまで高まってきました。

 30万円の大台に乗せる企業もあり、長谷工コーポレーションは4万5000円引き上げて30万円、カプコンも6万5000円増の30万円と、大手商社に見劣りしない水準です。建設やゲーム業界では昨年から初任給の大幅引き上げが相次ぎ、同業他社を上回ろうとする競争原理が働いています。金融ではメガバンクが昨年に大幅引き上げを実施したことで、地銀にも追随の動きがみられ、初任給引き上げドミノは地方にも波及しました。

 もちろん、初任給の水準だけで就職先を決めるわけではありませんが、物価高を背景に、収入面を重視する学生は増加傾向にあります。今後、弊社でも新卒採用に取り組む場面がやってくるものと思われますので、他社の事例なども参考にしながら、学生に選んでもらえる会社づくりに努めて参ります。

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