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早いもので、6月も残りわずか。一年の半分が経過しようとしています。6月下旬は株主総会シーズンですが、東京証券取引所が4月に公表した資料によりますと、今年3月期決算企業の定時株主総会は29日に最も集中する見込みです。集中率は26.4%となり、1983年の集計開始以来(最大値は1995年の96.2%)の低い水準が継続しています。株主総会が株主との重要な対話の場であるとの認識が浸透しつつあり、法令に基づいた経営や事業の状況報告にとどまらず、将来に向けた成長戦略の説明に注力している企業も少なくありません。
こちらは企業ではありませんが、富山県は昨年、県としての成長戦略を公表しました。その中核に据えているものがウェルビーイング(心身の健康のみならず、社会的にも満たされた状態)です。
2020年に富山県知事に就任した新田八朗氏は、富山県のウェブサイトのなかで、「現在、社会経済を取り巻く環境は、刻々と変化し、先行きが不透明で、将来の予測が難しい時代を迎えています。こうしたなか、これからは、ウェルビーイングの向上を目指すことが、経済・社会の活力を高め、さらなる成長に繋がるものと考えています。本県では、これを新たな成長戦略の柱として掲げ、産業・人材政策等に取り組んでいきたいと考えています。」と、ウェルビーイングの大切さを述べています。また、ウェルビーイングを、自分らしく幸せに生きられることや、収入、健康といった外形的な価値だけではなく、キャリアなど社会的な立場、周囲の人間関係や地域社会とのつながりなども含めて自分らしくいきいきと生きられることと説明し、成長戦略の中核に据えています。そして、ウェルビーイング県民意識調査の結果などを踏まえ、今年1月、ウェルビーイング指標が公表されました。総合指標、分野別指標、つながり指標の3つに整理されています。
総合指標のひとつは、総合わたし実感指標です。現在の状態について、最も理想的な生活であると思う状態を10、最悪であると思う状態を0として回答してもらうことで評価しました。この方法は国連の世界幸福度報告でも用いられていますが、富山県のウェルビーイング指標では現在だけではなく、5年前についての、わたし振り返り実感指標と、5年後についての、未来のわたし期待感指標も公表しています。分野別指標では、なないろ指標として、(1)心身の健康実感、(2)経済的なゆとり実感、(3)安心・心の余裕実感、(4)自分らしさ実感、(5)自分時間の充実実感、(6)生きがい・希望実感、(7)思いやり実感の7つの分野の実感を回答してもらいました。各質問に対して、はい、どちらかといえばはい、どちらかといえばいいえ、いいえの4つの選択肢から回答する方法をとっています。つながり指標では、自分を起点とする家族や社会とのつながりの意識について、なないろ指標と同様に4つの選択肢から選んでもらいました。ウェルビーイング指標では、総合的な現在の状態についての実感だけではなく、心身や経済など分野別の実感や、ウェルビーイングを考える際に重要といわれてる、つながりについての意識など、多面的に個々人のウェルビーイングについてたずねた結果を捉えることとしています。
さて、お話は企業の成長戦略に戻りますが、昨年公表した中期経営計画のなかで、弊社は、サステナビリティ領域での不動産への進出、地方公共団体との更なる関係拡充、既存事業の深化と新規事業の立ち上げ、という3つの成長戦略を掲げました。着実に実行していくことで、企業価値の向上に努めて参ります。