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一昨日11日は山の日。国民の祝日に関する法律には、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。」と記されています。日本は国土の6~7割が山地で、周りを海に囲まれているため、人々は山や海に畏敬の念を抱いて生活し、それらの恵みに感謝しながら、自然とともに生きてきました。1995年に海の日が国民の祝日になると、山梨県をはじめ複数の府県で山の日ができ、2002年の国際山岳年には山の日制定の構想が本格化しています。その後、2010年に日本山岳協会など山岳5団体が山の日制定協議会を設立し、2013年、超党派の山の日制定議員連盟が発足すると、山の日を国民の祝日にする運動が全国に広がりました。こうした動きを受け、2014年に山の日が制定され、2016年に施行となっています。
人間の暮らしは森里川海からもたらされる自然の恵みに支えられていることはいうまでもありません。かつて日本では、自然から得られる資源が地域の衣・食・住を支え、資源は循環して利用されていました。それぞれの地域では、地形や気候、歴史や文化を反映した、多様で個性豊かな風土が形成されています。地域の暮らしが持続可能であったため、森里川海を利用しながら、管理する知恵や技術が受け継がれ、自然と共生する暮らしが営まれてきました。日本の文化は自然との調和を基調とし、自然とのつきあいのなかで自然への感受性が培われ、伝統的な芸術文化や高度なものづくり文化が生まれています。
ところが、戦後のエネルギー革命、工業化の進展、流通のグローバル化によって、地域の自然の恵みに頼らなくても済む暮らしへと変化していきました。物質的な豊かさと便利さを手に入れ、生活水準が向上した一方で、人口の都市部への集中、開発や環境汚染、里地里山の管理不足による荒廃、海洋プラスチックごみ、気候変動問題などによって持続可能性に支障をきたしています。更に、海外への資源依存や急速な都市化の進展、人口減少・高齢化などによって、人と自然、人と人とのつながりが希薄化し、従来のコミュニティは失われつつあるといえるでしょう。
国全体で持続可能な社会を構築するためには、各々の地域が持続可能でなければなりません。人々の消費行動を含むライフスタイルやワークスタイルにおいても、価格重視ではなく、環境価値の適切な評価を通じ、相対的に環境負荷が低い製品やサービスの積極的な選択や、より環境に配慮した製品やサービスの創出を促進し、新たな需要を生む好循環を形成することが重要です。また、限られた資源を有効活用することで環境負荷の削減を実現し、大量生産・大量消費・大量廃棄型に代わる、持続可能で健康的な食生活や持続可能な消費に基づくライフスタイルを構築していかなければなりません。更に、地域ならではの自然とそこに息づく文化・産業を活かした持続的な地域づくりをおこなっていくなかで、各地域の自然が有する価値を再認識し、人と自然のつながりの再構築、健康増進、子どもの健全な発育などにも取り組んでいく必要があるでしょう。弊社は全国で80以上の地方自治体とお取り引きがありますので、地域の情報を得ながら、何かお役に立てることがあれば、関与していきたいと考えています。