2024.08.19社員ブログ

東京一極集中・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 既にお盆休みも終わり、お仕事がはじまっているという方も少なくないに違いありません。帰省された方は、地元で有意義に過ごせましたでしょうか。

 首都圏(関東1都6県と山梨県)における人口の増減は、1975年以降、1994年と1995年に一時減少に転じたものの、その後はプラスで推移しています。これは東京圏(1都3県)の増加によるものです。昨年の首都圏の都県別増減の内訳をみると、いずれの都県も増加となっています。東京都、神奈川県、埼玉県では、増加の要因は主に国内の移動でしたが、それ以外の5県では国内の移動よりも出入国による移動が大きくなりました。昨年の東京圏の転入超過数は約12.7万人 (前年比約2.7万人増)で、2019年(約14.9万人)以来、3年ぶりに10万人を超えています。また、世代別の転入超過の状況については、10代後半から20代の若者が大部分を占める傾向が続いています。

 人口が東京圏に集中する傾向は、コロナ禍によって変化するかと思われました。しかし、コロナ禍が収束して社会経済活動が正常化するにつれ、再び東京圏へと人口流入が戻りつつあります。とはいえ、子育て世代の東京圏からの流出増加、若者世代の地方移住への関心の高まりなど、コロナ禍前とは異なる新しい人の流れを示唆する動きも見逃せません。こうした動きの理由として、住宅価格の上昇などを背景に、東京圏外へ転出している子育て世帯の増加が指摘されています。東京圏の住宅価格はコロナ禍前より40%近く上昇しており、特に東京都区部の上昇率は50%以上で、近郊地域の上昇率に比べて一段と高くなりました。また、住宅面積を比較すると、東京都区部はその他の地域に比べて狭いといった特徴もみられます。

 一方、コロナ禍前に比べてテレワークや家族と過ごす時間が増加した人も多く存在し、コロナ禍が概ね収束した昨年になってもコロナ禍前の状態には戻っていません。新しい働き方や暮らし方の広がりを伺い知ることができるでしょう。また、ライフスタイルの変化に伴い、住宅の広さなどの住環境を重視する傾向も定着してきました。関連して鉄道の定期券利用状況をみると、コロナ禍の影響によって大きく減少した後、緩やかな回復にとどまっており、テレワークの普及などを背景に通勤そのものの傾向が変わった可能性を示唆しています。

 このように東京圏の状況に変化はみられるものの、ヒト、モノ、カネが東京都に集中する東京一極集中は続き、この是正にあたっては様々な取り組みがなされているところです。例えば、東京23区内の大学などの学生収容定員の抑制、東京23区からの企業の本社機能移転促進、Uターン(地元→都市→地元)・Iターン(都市→地方)・Jターン(地元→都市→地元とは異なる地方)によって地方で起業・就業する若者を支援するといったものがすすめられています。また、地方への人の流れの創出・拡大の実現に向け、地方と都市にそれぞれ暮らしの拠点をもつ二地域居住を促進するため、今年5月、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律が成立しました。更に、政府は、デジタルの力も活用しつつ、地方の社会課題解決や魅力向上の取り組みを加速化・深化することで、地方から全国へのボトムアップの成長を目指すデジタル田園都市国家構想を実現し、東京一極集中の是正を図っていくこととしています。弊社は数多くの地方自治体とお取り引きがありますので、東京一極集中の是正において何かお役に立てる場面があれば、協力は惜しみません。

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