2023.09.25社員ブログ

核シェルター・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 「このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。これはまた、より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求ものでもある。(中略)今日我々が発表する17の持続可能な開発のための目標(SDGs)と、169のターゲットは、この新しく普遍的なアジェンダの規模と野心を示している。(中略)これらの目標及びターゲットは、人類及び地球にとり極めて重要な分野で、向こう15年間にわたり、行動を促進するものになろう。」

 ちょうど8年前(2015年9月25日)、第70回国連総会において、『我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ』が採択されました。2015年までの国際的な開発目標であったミレニアム開発目標(8ゴール、21ターゲット)を承継するものです。日本でも関連する様々な活動がおこなわれており、例えば、政府は2018年からSDGs未来都市を選定しています。SDGsを原動力とした地方創生を推進するため、優れたSDGsの取り組みを提案する都市・地域を新しい時代の流れを踏まえて選定しており、核兵器廃絶を含む平和の創出を掲げた広島県などが選ばれています。

 さて、次のお話はSDGsの16番目の目標である平和にも関連するものかもしれませんが、国際的に核シェルター後進国だった日本が、ようやく問題の克服に動き出しました。政府は台湾有事の際に中国軍の攻撃対象になるおそれのある南西諸島を優先する形で、核・ミサイル攻撃から国民を守るシェルターの整備に取りかかろうとしています。北朝鮮やロシアの脅威も念頭に、大都市部や自衛隊・在日米軍の施設の周辺自治体など、広く本土にも広げる必要があるものです。

 日本は近年、中国・北朝鮮・ロシアの核ミサイル脅威に対し、反撃能力の保有といった新たな取り組みをすすめています。ただ、脅威国によるミサイルの大量同時発射への確実な対処策がなければ、事実上、国民が人質にとられている状態にかわりはありません。ウクライナのようにシェルターが普及していれば、そこで国民を守りながら、防衛作戦を継続できるでしょう。

 核シェルターの主要構成要素は、厚さ数メートルのコンクリート壁、頑丈な防護扉、空気清浄装置、水・食料・医療物資・トイレ周りの備蓄品で、これらはすべて日本にそろっています。冷戦時代、日本の大手ゼネコンが、中東でシェルター建設を請け負った事例もありますが、日本では核シェルターは普及しませんでした。ただここにきて、放射線リスクに敏感な医師といった高額所得者が住宅に小型核シェルターを設置する動きが静かに広がりつつあります。政府も、いかなる強度なら安全かという基準を設定していく見通しです。

 政府や自治体によるシェルターの設置は、建設国債発行など財政上の措置が講じられなければ迅速にはすすみにくいものの、現に需要がある以上、安全保障環境の悪化や、政府によるシェルター基準の設定と連動しながら、民間企業によるシェルター製造は徐々に広がっていくでしょう。将来、シェルターが設置された不動産を弊社でも所有・管理する時代がやってくるかもしれません。

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