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昨日は大暑。暦便覧(江戸時代の暦の解説書)には、「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されています。暑さのピークはもう少し先になりますが、こまめな水分補給など、皆様も体調管理には十分ご留意下さい。
本日7月24日は大正時代を代表する小説家・芥川龍之介の命日です。1927年のこの日、東京・田端の自宅で『続西方の人』を書き上げた後、大量の睡眠薬を飲み、自殺しました。享年35歳。代表作の『河童』にちなみ、また、生前に好んで河童の絵を描いていたことから、7月24日は河童忌と呼ばれています。
河童などの妖怪が住んでいるのは自然の世界ですが、妖怪を研究対象として含んでいる民俗学では、自然とともに生活する人々に語り継がれている様々な伝承が軸となっており、伝承には自然環境に対する生活の知恵が詰まっています。民俗学者の南方熊楠(みなかたくまぐす)は明治政府による神社合祀(統合)に反対し、神社と神社林を守る運動をおこないました。これは環境保護運動の先駆とされています。
さて、環境問題には国境がなく、地球規模での対処が必要であることから、これまで様々な制約や国際的な危機に見舞われながらも、環境問題に関する多国間の合意形成がすすめられてきました。また、昨年12月に閣議決定された国家防衛戦略では、気候変動は人類の存在そのものに関わる安全保障上の問題であり、それがもたらす異常気象は自然災害の多発・激甚化、災害対応の増加、エネルギー・食料問題の深刻化、国土面積の減少など、日本の安全保障に様々な形で重大な影響を及ぼしているとしています。
地球規模での環境問題が深刻化するなか、日本がもつ優れた環境技術・インフラや、それらを支える考え方、システム、人材などは世界の環境問題の改善に大きく貢献し得るに違いありません。これらが世界で広く採用されるためには、多国間環境条約や各条約下の各種ガイドラインの国際的なルールのあり方が極めて重要であり、こうした観点を含め、国際的なルール形成への積極的関与が求められています。また、欧米各国ではロシアによるウクライナ侵攻を契機として、国家をあげて発電部門、産業部門、運輸部門、家庭部門などにおける脱炭素投資を支援し、早期の脱炭素社会への移行に向けた取り組みが加速しています。日本においても、企業において気候変動が経営上の重要課題と捉えられるようになった現在、カーボンニュートラル実現に向け、より一層の脱炭素化事業への転換が求められているところです。
今年4月、日本が議長国として、札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合を開催しました。気候変動、生物多様性の損失、汚染の3つの世界的危機に加え、エネルギー危機、食糧安全保障、経済への影響、健康への脅威などを議論しています。また、包摂的かつ社会・環境面で持続可能な経済成長とエネルギー安全保障を確保しながら、グリーン・トランスフォーメーションを世界的に推進及び促進し、ネットゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を止め、回復軌道にのせる)経済の統合的な実現に向けて協働することも確認しました。これらの対策を加速させるにあたり、シナジーを強化し、すべての分野での緊急かつ強化された行動を求めることで一致しています。
環境問題は上場企業である弊社にとっても避けては通れないものです。日々の事業活動のなかで何ができるのかを考え、対応をすすめて参ります。