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2024年も残り少なくなって参りましたが、今年の世界平均気温は、これまで最も暑かった昨年を上回り、過去最高になる見通しです。昨年は世界中で異常気象となって欧州、北米、中国など広い地域に6ヵ月にわたる記録的な熱波(異常高温)をもたらし、これらの異常気象によって、世界では猛暑や干ばつ、大規模な洪水、山火事などが多発しています。それらの影響を受け、世界的に農作物の不作が深刻化して食料価格が高騰しました。今年、日本では全国的に米が品薄で、令和のコメ騒動などと話題になりましたが、その背景には、昨年来の記録的猛暑による収穫量減少があるようです。
近年の世界の異常気象は地球温暖化が原因とされています。更に、地球温暖化は災害の危険性を高めることはいうまでもありません。地球温暖化によって海水温が上昇すると、大気中の水蒸気が増え、雲量が増えることで降水量は増し、エネルギーの多くを海の水蒸気から得ている台風はより大型化して、発生頻度や強度を増していきます。また、最新の研究では、地球温暖化で地震も増えると考えられているそうです。降水量が増えて地下水位が上昇したり、永久凍土や氷河が融けて海面水位が上昇すると、海底地下のマントルへの荷重圧が増し、火山地帯に向かってマントルが流動します。その結果、地震が増えるようです。気候変動が怖いのは、1~2℃という、一見すると少しの変動にもかかわらず、その影響は地球規模で多岐にわたり、結果として災害の規模が激甚化してしまうということです。
実際のところ、今年は昨年を上回る猛暑が観測され、大きな台風も何個も発生し、九州から東北の広い範囲で、記録的短時間大雨情報が発表されるレベルの、1時間に100ミリという異常なゲリラ雷雨を降らせています。気象庁によると、1時間に40ミリの雨は、「バケツをひっくり返したような激しい雨」と表現するほどの大雨で、50ミリを超えると、災害級の大雨です。昔は日本では1時間に50ミリを超えるような豪雨はそれほど降りませんでした。そのため日本の都市計画では、一般的な下水道の雨水の排水処理能力は、降水量が1時間あたり50ミリに対応する計画がほとんどですが、近年、80~120ミリといった集中豪雨も珍しいわけではなく、下水道の処理能力は限界を超えています。今年8月21日夜の帰宅ラッシュ時には、東京都心を時間雨量100ミリを超えるゲリラ豪雨が襲い、弊社近くの新宿駅前では、歩道のマンホールから勢いよく水が噴き出して40kgもある蓋が飛ばされました。
各地で続く猛暑とゲリラ雷雨などの異常事態に、あらためて、人々の生活は災害と隣り合わせであると感じさせられます。英国で今年6月、人為的要因による地球温暖化(気温上昇)のペースが観測史上最悪になったとの分析結果が公表されました。このままの状態が続くと、より災害の強度が増していくことは確実です。温室効果ガスの抑制については、国際的にも今が正念場なのでしょうが、各個人もその対応に追われるようになるのかもしれません。弊社も企業として、また、従業員それぞれにおいても、来年以降も地球温暖化に関心を深め、できることに取り組んで参ります。