本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
世界で複数の武力紛争や多数の気象災害が起こるなか、今年1月、今後のリスクを予測する『グローバルリスク報告書2024年版』が世界経済フォーラムから公表されました。この調査では、1400人以上のグローバルリーダーに短期的、長期的なリスクについてヒアリングをおこなっています。
今後2年間の深刻なリスクでは1位が「誤報と偽情報」、2位以下は順に「異常気象」、「社会の二極化」、「サイバー犯罪やサイバーセキュリティ対策の低下」、「国家間武力紛争」となりました。「誤報と偽情報」については、米国やインドでおこなわれる大型選挙で有権者は約30億人に上ることが予想され、AIによる誤報や偽情報の拡散により、新政権の正当性が損なわれ、暴力的な抗議活動やテロリズムが起こり得ると危惧されています。また、今後10年間では「異常気象」、「地球システムの危機的変化(気候の転換点)」、「生物多様性の喪失と生態系の崩壊」、「天然資源不足(食料や水)」の順になりました。世界はAIの台頭や気候変動、地政学的勢力図の変化、人口動態の変遷など、構造転換の時期を迎えており、地域的戦略や画期的な課題解決の試み、集団的行動、国家間の協調がグローバルリスクの対応に大きな役割を果たすことになると報告書は締めくくっています。
短期と長期のどちらのリスクにも上位に入っているのは異常気象ですが、例えば、1980年頃と比べて、極端な大雨は2倍程度に頻度が増えました。気象庁では、多種多様な大雨について気候変動に伴う発生頻度の変化を評価するため、1時間降水量、3時間降水量、1日降水量の経年変化を監視しています。全国のアメダスデータを用いた解析では、いずれの大雨の発生頻度にも統計的に有意な増加傾向がみられました。日本の降水及び大雨に関しては、次のような3つの特徴があるようです。
・年間降水量には統計的に有意な長期変化傾向はみられない一方で、降水の観測される日は有意に減少している。
・大雨の年間発生回数は有意に増加しており、より強度の強い雨ほど頻度の増加率が大きい。
・1時間降水量80ミリ以上、3時間降水量150ミリ以上、1日降水量300ミリ以上といった強度の強い雨については、1980年頃と比較して2倍程度に頻度が増加している。
なお、近年の研究成果から、大雨の頻度と強度の増大には、地球温暖化が影響している可能性があります。大雨の発生頻度が増加することにより、気象災害のリスクは一層高まるでしょう。大雨などの極端な気象現象に関する最新の基盤的情報が公表され、様々な分野・地域における気候変動を踏まえた防災対策の取り組みがすすんでいくことを願うばかりです。
あと数カ月で梅雨入りとなります。今年も線状降水帯による集中豪雨が各地で発生するに違いありません。弊社は全国で主に1棟もののマンションを所有・管理し、多くの方々に生活の場として利用していただいております。これからも気象関連の情報については十分に注意を払い、生活空間への影響を最小限に抑えられるよう、努めて参ります。