2024.09.09社員ブログ

統合報告書・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 弊社が東京証券取引所に株式上場(2018年9月13日)を果たしてから、今週13日で、ちょうど6年です。これまで弊社を支えていただきました皆様のご支援、ご高配に、心より御礼申し上げます。9月は弊社の事業年度末でもあり、10月以降、株主総会招集通知や有価証券報告書を作成していかなければなりません。

 有価証券報告書のサステナビリティ情報(環境負荷の削減、社会的課題の解決、経済活動を通じた地域社会への貢献など、持続可能な社会の実現に向けての企業の取り組みに関する情報)の開示拡充後であっても、その存在意義が揺るいでいないのが統合報告書です。統合報告書は基本的に任意開示であり、金融商品取引法で義務づけられている有価証券報告書や、取引所の上場規程に基づく決算短信に比べ、記載内容の自由度は高くなっています。

 統合報告書作成企業の大半は、国際統合報告評議会の国際統合報告フレームワークや、経済産業省の価値協創ガイダンスを参照しており、国際統合報告フレームワークは2013年に公表され、2021年に改訂されました。改訂版によると、統合報告書の主たる目的は、財務資本の提供者に対し、組織がどのように長期にわたり価値を創造、保全または毀損するかを説明することとなっています。また、価値協創ガイダンスは2017年に公表され、2022年に改訂されており、企業と投資家が情報開示や対話を通じて理解を深め、持続的な価値協創を促すことを目的に策定されました。企業価値創造に向け、投資家との対話の質を高めるための、共通言語としての役割が期待されています。

 統合報告書を作成する日本企業は増加中です。中立的な立場から日本企業の企業価値向上に資するようなリサーチ・啓発活動をおこなっている企業価値レポーティング・ラボが公表した資料によれば、昨年の発行組織数は1017と、前年比で94増えました。国際統合報告フレームワークが公表された2013年の90から、10年で11倍超となっています。

 一方、金融庁は昨年1月、内閣府令の改正によって有価証券報告書の開示内容を拡充しました。サステナビリティに関する考え方や取り組みの記載欄が新設され、サステナビリティ情報を開示することが義務づけられています。女性活躍推進法に基づく女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差といった多様性の指標に関する開示も必要です。

 有価証券報告書でサステナビリティ情報の開示が拡充された後も、今のところ、統合報告書に影響は出ていません。統合報告書には有力な策定指針があり、幅広いステークホルダーに対して財務・非財務情報を包括し、中長期的視点で独自の価値創造ストーリーを伝えるという目的が明確だからでしょう。財務情報が中心の伝統的な開示文書を補う存在として定着してきています。現在、弊社では統合報告書を作成しておりませんが、状況をみながら、適切に対応していきたいと考えています。

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