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総務省統計局が直近に公表した人口推計(概算値)によりますと、今月1日現在、日本の総人口は前年同月比57万人減の1億2450万人となりました。年齢階層別にみると、15歳未満1432万人、15歳以上65歳未満7397万人、65歳以上3621万人となっています。65歳以上が総人口に占める割合は29.1%に達しており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2065年に40%に近づく見込みです。
これまでの高齢化の問題は、現役世代の人口が変わらないなかでの高齢者の増加で、いわば、現役世代の負担増という課題だけでした。しかし、これからは高齢者の人口が変わらないなかで現役世代が大幅に減ることで、日本経済そのものの活力が失われかねない懸念もあります。単純に現役世代の負担が増えるだけではなく、日本経済の活力をどう維持・拡大させていくのか、といった大きな課題も抱えながらの高齢化の進行です。
そこでまず考えたいのが、今後半世紀にわたって人口が減らないと見込まれている高齢者のもつ資産になります。国民経済計算をもとに、個人の保有する金融資産と、土地や非金融資産を合わせた個人資産を計算すると、2020年では3073兆円です。そのうち60代以上が保有する比率を全国家計構造調査(2019年)から推計すると、金融資産では63.5%、住宅・宅地では58.4%となりました。60代は個人資産の3分の2程度を保有しているとみられ、その総額は2000兆円の規模になると想定されます。
人生100年時代という言葉が注目され、多くの高齢者が資産寿命の延伸を考えるようになっていますから、高齢者はこれまで以上に資産をできるだけ使わないで生活しようと心がけているのではないでしょうか。その結果、毎年推計で40~50兆円規模の資産が相続されることになっています。GDPの1割近い規模の資産が相続されているのですが、その多くは老々相続となっていることにも注意が必要です。少し古いデータになりますが、財務省によると、子どもの年齢が50歳以上と想定される80歳以上の被相続人(亡くなった方)の比率は1989年で38.9%だったものが2013年には68.3%まで高まっています。そのうち90歳以上の被相続人は23.7%でした。寿命の延伸を考えれば、現在では更に老々相続の比率が高くなっているにちがいありません。40~50兆円の多くが老々相続となっていることで、受け取った相続人もその資産を自身の老後の資産として、できるだけ使わないようにしようと思うでしょう。相続をしても、その資産は常に老後の費用として位置づけられ、なかなか消費には回りません。
そこで重要なのが、長い老後に備え、資産をできるだけ使わないようにするという発想ではなく、使いながら運用することで資産寿命を延ばすという考え方になります。例えば、保有している資産のうち株式などは退職しても一気に現金化しないで、運用を継続しながら、少しずつ取り崩していくという方法です。退職後も長期間の運用を継続することで、保有する資産をより有効に活用できるかもしれません。資産寿命を延ばしていく手段のひとつとして、弊社のi-Bondも是非ご検討下さい。