本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
暦のうえでは秋(今年の立秋は8月8日)になってから1ヵ月以上が経過しておりますが、まだまだ暑い日は続いております。皆様も体調を崩されることなどないよう、健康管理には十分ご留意下さい。
気候変動対策や未来のエネルギーとして、水素が注目されています。日本政府は今年、2017年に策定した水素基本戦略を改定しました。2020年のグリーン成長戦略では、水素産業の発展を支援し、世界をリードする、としています。世界の他の国々でも、それぞれの水素戦略を策定し、水素産業の支援に力を入れ、エネルギー源としての水素が世界的な脚光を浴びるようになりました。日本では、第6次エネルギー基本計画(2021年10月)のなかで、2030年度における電源構成のうち、水素・アンモニアの割合が1%と明記されました。たったの1%と思うかもしれませんが、これは約90億kWhとなり、平均的な原子力発電所1基分と同程度の規模です。また、水素は発電用だけではなく、製鉄など電化が困難な産業や、輸送部門の燃料としても重要な役割を果たす可能性があり、様々な業界から注目されています。
一方、水素はエネルギー・キャリア(エネルギーを運ぶもの)であり、そのエネルギーが何からつくられたものなのか、注意しなければなりません。電気と同じです。再生可能エネルギー施設で発電しても、火力発電所で発電しても、電気に変わりはありませんが、発電方式によって、二酸化炭素排出量などの環境負荷は異なります。水素がすべて環境によいというわけではありません。
水素自体に色はついていないのですが、つくり方や二酸化炭素排出量を区別するための色分けがなされており、現在、製造されている主流はグレー水素になります。グレー水素は天然ガスやメタンを用いるもので、水素を取り出す過程で発生する二酸化炭素はそのまま大気中に放出されてしまい、環境によいとはいえず、グレー水素と名づけられました。
発生する二酸化炭素をそのまま大気中に排出するのではなく、回収して地中に埋める、実質的な排出量をゼロにしようというのがブルー水素です。CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留)技術などを活用します。発電所や化学工場などから排出された二酸化炭素を、他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。
再生可能エネルギー施設で発電した電力を用いて、水を電気分解することで得られるのがグリーン水素になります。製造過程で化石燃料を使用せず、二酸化炭素の排出はありません。世界的に再生可能エネルギーの製造コストが下がってきていることもあり、今後の脱炭素エネルギー源として大きな期待がかかっています。
主な水素カラーは上記の3つですが、他にもブラック、ブラウン、ピンク、ターコイズ、イエロー、ホワイトといったものがあります。説明は省きますが、皆様もよろしければご自身で調べてみて下さい。
さて、弊社でも、環境に配慮された不動産から生み出される家賃収入を分配原資とした、新たな不動産小口化商品(例えばグリーンi-Bond)に関心を抱いており、将来、皆様に新商品として提供できる場面がやってくるかもしれません。これからも弊社の動向にご注目下さい。