この3連休は11月(霜月)だと言うのに、日本列島は高気圧に覆われて、各地で気温が上昇し、異例の暑さとなりました。昨日は、雲は多めなれど気温は高く、東京も夏日ではなかったかと思っています。
南に向いている窓を開けようとサッシの金具に触れた時も、結構な熱さを感じました。青空が広がった連休初日の3日などは、夏場と同様、金具に長くは触れていることができないほどの熱さでした。
連休の3日間、昼は半袖姿で外出すると、街の風が気持ちよく、いくらか夏に戻ったようで、12月が1ヶ月もたたないうちに、やってくるとはとても思えませんでした。
それでも季節は季節、ほとんど葉を落として、休眠しようとしている樹もあります。
坪庭のもみじなどは緑をとどめて、僅かに色づきかかった葉が何枚かあるだけです。
11月としては観測史上最高気温を記録したと気象庁は言ってます。
なんだか7月も8月も、同じようなことを聞いたような気がします。異常気温もそうですが、世界各地で大規模な森林火災や大雨による洪水、干ばつなどの自然災害が猛威を振るいはじめました。いよいよ今迄の地球温暖化対策等では止められない、何か転機が迫ってきているようです。
昨日の空には秋の雲らしからぬ入道雲崩れも現れていました。
そう言えば、世界経済にも転機が迫っているようです。
例えば米経済は一年以上の利上げを経てなお盤石であるように思っていましたが、どうもそうでもなさそうなのです。今迄、CPI指数は高かったものの、個人消費を中心に想定外の強さを保ってきました。
しかし、足元では金利負担の重圧が家計や企業に影を落とし始めたようです。10月の米雇用統計の下振れにより、労働市場の過熱感も少し和らいだことから、利上げ終結観測が広がりました。
米長期金利が1週間で0.3%下落したことから、NY株も金利リスクが薄れたとして、大幅高となりました。しかし、それは株式の話でして、FRBは、金利は据え置いたものの、保有資産を減らす量的引き締め(QT)で、市中に出回る資金を減らし、家計や企業の資金コストの引き上げを実施中です。
株価は金利に反応しているだけであって、QTも金利の高止まりも、これから効いてくるのだと思います。
金利の上昇だけでも、米国内の一定規模以上の米企業の倒産件数は1~9月だけでも519件と前年同比で倍増しているのです。リーマン危機やコロナ禍並みの倒産数です。
また、2年前に3%程だった30年固定の住宅ローン金利は足元で8%と高く、住宅を低金利で購入した人は高い金利での借換えをためらって売却を控え、中古物件は市場に出回らず、高止まりしています。新規購入者にとっては38年振りの買いにくさとなっているようです。
加えて、学生ローンの返済が再開し、政府給付による過剰貯蓄も枯渇間近だそうです。これらの要因が景気を冷やさないかFRBも見通せないので手探り状態のようです。
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さて、10月末の日銀決定会合で、日銀は、①長期金利の上限のめどを1%とし、一定の上昇を容認 ②指し値オペの利回りを金利実勢などにより適宜決定 ③物価見通しを上方修正 ④マイナス金利やETFの買入れ維持の、大旨4項目を決定しました。
日銀は金利を強く抑え込もうとすれば、市場が米国との金利差を意識して、さらなる円安となるジレンマを抱えています。「金利ある世界」に入り、景気を冷やさないような金利誘導と、国債を購入しての、資金供給量の調整はますます日銀にとりましても、難しいものになってきたようです。
ここのところの国内金利上昇といっても、ごく僅かですが、それでも、その上昇で公的年金を運用するGPIFは7月~9月の間だけで6,800億円の赤字になったそうです。
金利が上昇しても、まだ株式はプラスだったものの、債権が金利上昇に弱く国内外ともにマイナスとなってしまったとのことです。
「金利ある世界」に入ったことから、三菱UFJ銀行は早速、今日から5年以上の定期預金の金利を100倍の0.2%にしました。その背景は日銀の先の決定会合によるものです。
とうとう日本経済も「金利ある世界」に入ったのですね。
これは、預金者には朗報であっても、住宅ローンを抱える人とか低金利に浸っていた中小企業にとりましては厳しいことになるかもしれません。
また岸田内閣は所得減税(実施は、来年6月頃から)を打ち出していますが、国民には不人気のようで、偽装減税、増税隠しではないかとまで言われています。確かに、今のアメでは将来のムチとなる不安感は払拭できませんね。支持率も低調で、岸田内閣に吹く風は冷たいようです。
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