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今年も終戦の日を迎えました。欧米の人々のなかでは、第2次世界大戦が終了したのは必ずしもその日ではなく、日本がドイツのベルリン郊外ポツダムで降伏文書に署名した1945年9月2日とみなすことが多いようです。しかし、玉音放送が流された8月15日を、日本人が強く意識していることはいうまでもありません。
その日からちょうど26年経過した1971年8月15日、米国は世界に向け、ドルと金の兌換を停止する、と発表しました。日本時間では既に8月16日の月曜日に日付が変わっていましたが、この衝撃的な日と終戦の日とは無関係だと分かっていても、何か因縁めいたものと捉えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。長い歴史を通じて、通貨とは金に変換できるもの、という考えが定着していたなかで、世界で唯一、金と自国通貨ドルとの交換を約束していた米国が、突然、金との交換を停止すると宣言しました。経済における想定外の出来事は○○ショックと表現されますが、このニクソン・ショックこそ、その先駆けです。日本の市場ではドル売りの嵐が吹き荒れ、外貨準備は43億ドルから一気に146億ドルへと増加しています。そして8月28日、日本政府は固定相場の維持を断念し、1949年から続いてきた1ドル360円の時代は、ここで幕を閉じることになりました。
次もお金にまつわるお話になりますが、世界には銀行口座をもっていない成人が17億人いるといわれており、送金や借り入れなどの金融サービスが使えません。金融サービスが使えるようになることを金融包摂といいますが、キャッシュレスやフィンテックは、新しい発想で金融包摂を実現させています。金融包摂が必要とされる人々には、低所得者や移民が多く含まれ、手数料を支払うことができない、正式な身分証明書がないといった理由から口座開設を断られているのが実状です。ただ、本質的な問題は、金融サービス提供の基盤となる信用スコアがないことにあります。お金を貸す際に最も重要なのは、間違いなく返済してくれるかどうか、であり、これは信用リスクと呼ばれ、スコアづけされます。発展途上国の人々、先進国でも低所得者や移民の人々には、そもそも信用スコアが付与されていないため、既存の金融機関では取り引きをしてくれません。
ここでフィンテックによる金融包摂の事例を紹介します。アフリカでは電力や水道といったインフラは不十分ですが、スマートフォンは普及しており、充電には画用紙大の太陽光パネルが使われています。パネルの購入には200ドル程度かかり、現地の人々にとってはかなり高価です。従来の金融の考え方では、保証人や土地の担保がないと、借り入れはできませんが、新しい金融では、売電収入を担保とみなし、借り入れができます。パネル購入後にかかる日々のサービス料金は非常に安価で、現金ではなく電子マネーを使うと効率よく管理でき、借入金の返済も電子マネーを使えば簡単です。返済状況から信用スコアがつくられるため、2枚目のパネル代の借り入れは、よりスムーズになり、新しいビジネスをはじめるチャンスを得ることもできます。
金融包摂という言葉は心地のよい言葉であり、広く使われるようになってきているものの、悪い面も否定できません。貸付サービスは収益率の高いビジネスであり、金融リテラシー(理解して使いこなす能力)が低い人々への過剰な貸し付けが世界中で問題になっています。貸す側は事業資金だとしていますが、実態は生活費の補填というケースも散見され、高金利や手数料によって債務者の生活水準を低下させたり、多重債務者を生み出したりしていることも事実です。
弊社では貸金業をおこなっているわけではありませんが、個人の方々に、不動産から生み出される安定した家賃収入を分配原資とするi-Bondをお勧めしております。商品内容の説明には十分に注意を払い、ご理解いただいたうえで、ご活用いただいております。