2024.11.11社員ブログ

鉄道・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 暦のうえでは既に冬となっておりますが、弊社からそれほど遠くない明治神宮外苑のイチョウ並木では、間もなく黄葉の見頃を迎えようとしています。イチョウの木は、青山通り側から樹高の高い順に並んでおり、聖徳記念絵画館に向け、低くなるように植えられています。遠近法を用いて、奥に佇む聖徳記念絵画館が雄大にみえるよう工夫されているそうです。黄金に染まるイチョウが約300メートルにわたってトンネルをつくり、秋の美景を楽しむことができます。

 紅葉狩りに出かける際、鉄道を利用することも珍しくありませんが、1881年11月11日、国内初の私鉄となる日本鉄道株式会社が設立されました。1872年10月14日、新橋と横浜を結ぶ国内初の官設鉄道が開業し、その後も明治政府は全国の主要都市を結ぶ鉄道建設を計画していましたが、西南戦争の多大な出費によって政府の財政が窮乏したため、中断を余儀なくされています。ただ、当時の産業の発展に鉄道建設は必要不可欠なもので、民間資本による早期の鉄道建設を求める動きがあり、日本鉄道は設立されました。東京から高崎までと、途中から分岐して青森までの路線が計画され、国有地の無償貸与、払下げなど政府からの便宜もあり、工事は着々とすすめられています。その後、神戸と下関を結ぶ山陽鉄道や、門司と八代・長崎を結ぶ九州鉄道など、私鉄による幹線の建設がおこなわれました。しかし、1906年以降、鉄道国有法によって、それらの私鉄は国有化されています。

 その私鉄も含んだ国内の旅客輸送量(人ベース、自家用車によるものを除く)は、リーマンショックが発生した2008年度に減少したものの、2012年度から緩やかに増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響によって2019年度は再び減少に転じ、2020年度の減少幅は更に拡大しています。その後、2021年度に増加に転じ、2022年度は前年度比で大きく増加しました。2022年度の各公共交通機関の分担率は鉄道81.6%、乗合バス14.0%、タクシー3.8%、 航空0.4%、旅客船0.2%です。鉄道が非常に高い分担率を担っている背景として、他の交通機関と比べると、大量輸送、高速輸送、定時輸送の面で強みをもつことがあげられます。鉄道車両のほかに、線路、駅、信号などのインフラ整備が必要であるため、事業の開始・運営に要するコストが高くなることから、利用者数が十分でない地方部では路線の維持が難しくなることもありますが、十分な利用者数が確保できる都市内輸送や都市間輸送においては、強みを発揮できるでしょう。

 また、事業開始・運営のコスト以上に注視しなければならないのは衝突、脱線、火災、踏切障害、人身障害、物損といった事故です。例えば、昨年の人身障害事故の発生状況をみると、前年比23.8%増の396件で、死者数は前年比14.3%増の200人となりました。このうち、ホームから転落して、あるいは、ホーム上で列車と接触して死傷する事故は長期的に減少傾向にあるものの、一昨年からは増加に転じています。なお、ホームにおける事故の約半数は酔客関連です。

 さて、鉄道会社にとって不可欠な存在とされているものが不動産になります。鉄道による移動の多くは通勤、通学、買い物、レジャーなど様々な目的を達成するためにおこなわれ、住宅、オフィス、学校、商業施設、観光施設など沿線エリアの不動産の質や規模により、鉄道需要は左右されるでしょう。そのため、多くの鉄道会社において、不動産の有効活用で鉄道利用者を増やす戦略がとられています。弊社にもいつか、鉄道会社と協業し、まちづくりのお役に立てる場面がやってくるかもしれません。

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