2024.06.24社員ブログ

非正規雇用・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 総務省が5月末に公表した労働力調査によると、今年4月の完全失業率は前月、前々月と同様の2.6%となりました。役員を除く雇用者数は5750万人で、正規の職員・従業員数が3666万人(前年同月比2万人増、6ヵ月連続の増加)、非正規の職員・従業員数が2084万人(前年同月比20万人増、8ヵ月連続の増加)となっています。

 1980年代半ばには15%程度だった非正規雇用比率は長期にわたって上昇を続け、1990年代前半に20%台、2000年代前半に30%台となりました。2010年代半ば以降は上昇が頭打ちとなっていますが、今では雇用者全体の4割程度がパートタイム労働者、契約社員、派遣社員などの非正規雇用です。

 バブル崩壊に伴う経済の長期停滞を受け、過剰雇用が問題となっていた1990年代後半から2000年代前半にかけては、主として企業側の要因で非正規雇用が大幅に増加しました。厚生労働省の「就業形態の多様化に関する総合実態調査(2003年)」によれば、非正社員を雇用している理由として圧倒的に多かったのは、「賃金の節約のため」(51.7%)であり、以下、「1日、週のなかの仕事の繁閑に対応するため」(28.0%)、「景気変動に応じて雇用量を調節するため」(26.5%)、「即戦力・能力のある人材を確保するため」(26.3%)、「専門的業務に対応するため」(23.1%)となっています。企業が非正規雇用を増やす理由は、まずは人件費の削減で、それから、雇用の柔軟性の確保、専門人材、即戦力の確保でした。

 近年、若年層を中心に人手不足が深刻化するなか、企業は必ずしも積極的に非正規雇用の採用を増やしているわけではありません。「就業形態の多様化に関する総合実態調査(2019年)」では、非正社員を雇用している理由として、「正社員を確保できないため」(38.1%)の割合が最も高く、2003年の20.1%から急増する一方、「賃金の節約のため」(31.1%)の割合は大きく低下しました。雇用の非正規化がすすんだ背景には、ライフスタイルや就業に対する価値観が多様化し、非正規を希望する労働者が増えたという労働者側の要因もあります。また、女性や高齢者がより多く働くようになるなかでは、時間や場所を限定して働く人が増えることは自然なことでしょう。自ら望んで非正規で働く人が増えることは必ずしも悲観的に捉える必要はありません。

 さて、働き方に関して、コロナ禍前後で大きく変わったものとしてテレワークの普及をあげることができます。労働者側のメリットとしては、通勤時間の減少による余暇時間の増加によってワークライフバランスが向上する、育児や介護と仕事との両立が可能となる、自分のペースで仕事に取り組むことで生産性が向上するなどがあり、企業側も、オフィスの維持や従業員の通勤手当のコストが削減できる、自然災害やパンデミック発生時でも事業の継続が可能となる、資料のペーパーレス化などデジタル化が進展するなどのメリットがあるでしょう。一方、労働者側のデメリットとしては、運動不足になる、オン・オフの切り替えが難しくなって長時間労働になりやすい、コミュニケーションがとりづらく業務効率が低下するなどがあり、企業側も、勤務管理が難しい、機密情報が従業員の自宅など外部の場所で扱われるためセキュリティーリスクが増大する、業務経験の少ない若手の育成が難しいなどのデメリットがあります。弊社でもメリット、デメリットを十分に理解したうえで、これまで以上に時間と場所を有効活用できる柔軟な働き方への対応を図り、労働生産性の向上につなげていきたいと考えています。

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