2023.09.04社員ブログ

3750億ドル分の生態系サービス・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 先月末の時価総額1.7兆ドル。ちょうど四半世紀前(1998年9月4日)、米国カリフォルニア州で、スタンフォード大学の大学院生だったラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によってグーグル社(現アルファベット社)は設立されました。友人(元ユーチューブCEOのスーザン・ウォシッキー)宅のガレージが本社として登記されています。彼らはページランク(PageRank)という独自の考え方を編み出しました。ページランクとは、ウェブページが重要かどうか判断するためのアルゴリズム(手順や計算方法)です。これによって、検索されたキーワードに関連性の高いウェブページが上位に表示されるようになります。以前の検索エンジンは、検索されているキーワードと一致する単語の多いウェブページが上位に表示されていました。そのため、不必要にキーワードを多く書いた情報量の薄いページも上位に表示されてしまいます。検索してもキーワードを大量に含むだけのページがみつかることが多く、欲しい情報をみつけるまでに時間がかかりました。そこでグーグルは、ウェブページがリンクされている数や引用元の権威性(大学や政府機関)を価値判断の基準にしています。検索ニーズにあったページが上位に表示されるようになり、多くの人々に支持されるようになりました。人工知能(AI)を使った対話型サービスの提供もすすめているところで、40以上の言語に対応させ、230を超える国と地域で利用可能です。

 対話型サービスとは分野が異なりますが、AIを環境問題の解決のために活用している企業があり、ここで少しご紹介します。サンゴ礁は地球上で最も生物多様性に富んだ生態系とされ、毎年、人間社会に対して3750億ドル分の生態系サービスを提供しているといわれていますが、現在、危機に瀕しています。サンゴ礁の衰退を止めるため、AIやロボット工学を活用しているのが、オーストラリアのサンゴ生物学者であるタリン・フォスター氏が創業したコーラル・メーカー社です。

 彼女は西オーストラリアの自然豊かな海岸で砂と海水に触れて育ち、幼少期からサンゴ礁でシュノーケリングを楽しんでいました。そのことから、サンゴに対する情熱を生涯もち続けるようになり、マンタを探し、サメと泳ぎ、ターコイズブルーの海に心を動かされています。実家は石灰岩やコンクリートブロックを商業的に大量生産するビジネスを営んでいますが、海に対する熱い思いを貫くことを選び、サンゴの生態を専門に海洋生物学を学びました。

 コーラル・メーカー社はサンゴ片を種として入れた石の土台(スケルトン)を予めつくり、それを海中に展開しています。スケルトンは花壇のような役割を果たすもので、AIが制御するロボットアームがサンゴ片を植えつけていきます。海中に置かれたスケルトンのうえでサンゴは成長し、大人サイズになるための期間は1~2年です。サンゴ自身がスケルトンを一層ずつ形成していくには何年もかかりますが、それよりもはるかに早く成長させることができます。同社では規模を拡大して年間250エーカー(1平方キロメートル強)のサンゴ礁の修復を目指しています。

 地球を冷やす必要があることは誰しもわかっているでしょう。しかし、決して容易なことではありません。AIやロボット工学をうまく活用して、人手では到底間に合わないような環境への取り組みを加速していく必要があります。それは不動産の分野でも同様であり、弊社でも直接的ではなくとも、何らかのお役に立てる場面があればと思っています。

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