2023.04.17社員ブログ

45年化・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 今年度の公的年金額が、67歳以下の人は昨年度から2.2%、68歳以上の人は1.9%引き上げられました。年金額の改定は、名目手取り賃金変動率が物価変動率を上回る場合、67歳以下の年金額は名目手取り賃金変動率を、68歳以上の年金額は物価変動率を用いて改定することが法律で定められています。名目手取り賃金変動率は2.8%、物価変動率は2.5%ですが、今年度のマクロ経済スライドによる調整(マイナス0.3%)、昨年度と一昨年度のマクロ経済スライドの未調整分の合計(マイナス0.3%)を勘案し、改定率は、それぞれ2.2%、1.9%となりました。

 次期年金改革に向けた議論が本格化しています。公的年金は給付と負担のバランスを確認するため、少なくとも5年ごとに財政検証を実施しなければなりません。前回の財政検証は2019年に実施しているため、次回は来年までになります。この財政検証を受けて、2025年の通常国会には年金改革法案が提出される見通しです。来年の財政検証に向けた議論は厚生労働省の社会保障審議会の各部会で既にはじまっています。

 年金改革を巡る議論の中心となるのは年金部会です。昨年10月、次期年金改革に向けた初会合が開催されました。年金部会の下に「年金財政における経済前提に関する専門委員会」を設置することが決まり、11月にはその専門委員会の初会合を実施いています。財政検証で必要となる経済前提をどう置くのか、将来推計人口などのデータを待って、本格的な議論をはじめる予定です。

 年金部会では、重要論点として、基礎年金の拠出期間の45年化がありました。国民年金の保険料拠出期間は原則20~60歳までの40年間です。加入期間が40年に満たない場合には65歳まで保険料を追加拠出できます。財源確保の観点からも、拠出期間の延長案として有力視されるのが45年加入です。ただ、財源確保については、保険料の拠出期間延長に被保険者や事業主の納得が得られるかという課題に加え、国庫負担の問題もあります。基礎年金部分の財源は2分の1を国庫負担で賄っているため、拠出期間延長は自動的に国庫負担の増加を意味します。

 基礎年金部分の保険料拠出期間の延長は他の年金制度にも関係し、例えば、厚生年金などに加入していれば、65歳までiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用できますが、自営業者などを対象とする国民年金では、加入が認められるのは原則60歳までです。このため、公的年金の加入期間が40年未満でない限り、60~65歳の期間はiDeCoを利用できません。保険料の拠出期間が延長されれば、こうした不整合は解消されます。

 一方、政府の資産所得倍増プランではiDeCoの加入年齢を一律70歳まで引き上げる方針が盛り込まれており、これは高齢者雇用に関して70歳までの雇用機会の確保が企業の努力義務とされたことに合わせたものです。公的年金の保険料拠出を条件とするiDeCoの加入要件を見直すのであれば、制度の位置付けは大幅に変わってきます。

 さて、知名度や規模でiDeCoには遠く及ばないものの、弊社は2004年から、安定的な家賃収入を分配原資とした不動産小口化商品を公的年金のサプリメントとして提供し続けています。これまで一度たりとも元金・予想分配金の毀損はございません。来年で20年を迎えることになりますが、新商品の開発にも努めて参りますので、これからも弊社の動向にご注目下さい。

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