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お盆休みが終わり、今日からお仕事が再開されるという方も少なくないかもしれません。一方で、学生の皆様はまだ夏休み中でしょう。お休みを満喫されているかもしれませんが、課されている宿題は順調にすすんでおりますでしょうか。
本日は女子大生の日だそうです。1913年8月21日、国内で初めて、3人の女性が大学(東北帝国大学)に入学(当時は欧米と同じ9月入学)することを許可されています。1901年には日本女子大学校が創立していたものの、専門学校令による認可を受けていた学校であったことから、専門学校の扱いとなっていました。3人の女性は大学卒業後、化学や数学の分野で活躍しています。
経営陣に女性が多い企業ほど財務成績がよいなど、持続可能性、多様性、従業員満足に関するESG活動は、企業のより強力な財務の収益性や成長と相関していることが、今年4月に公表された調査報告書で明らかになりました。この調査は、米国のコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーと、企業のサステナビリティ評価を専門とするフランスのエコヴァディスが、約10万社を対象に実施したものです。具体的には、エコヴァディスの評価用スコアカードに基づき、排出量の削減やDEI(ダイバーシティ=多様性、エクイティ=公平性、インクルージョン=包括性)向上の取り組みの実施、経営プロセスへのサステナビリティの組み込みといったESG活動の様々な側面と、その成果や財務成績との相関関係を検証しています。その結果、(1)経営陣に女性が多い企業ほど財務成績がよい、(2)輸送や工業製品を含む炭素集約型産業では再生可能エネルギーの利用が売上高に対するEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)の割合の向上と相関している、(3)サプライチェーン内の倫理・環境・労働慣行を重視する企業はそうでない企業よりも利益性が高い、(4)ESG活動でリードしている企業では従業員の満足度が高く従業員の満足度が高い企業は成長が早く利益率も高い、という4つの相関関係が明らかになりました。また、調査対象企業の8割を占めた非公開会社によるESG活動は公開会社に比べ遅れており、改善の余地が大きいことも指摘されています。
一方、株式市場で支持されてきたESG投資は、風向きが変わってきおり、特に米国でのESG離れが鮮明になっているとの指摘も見逃せません。6月下旬、世界最大の資産運用会社である、米国のブラックロックのラリー・フィンクCEOは、ある金融関連イベントで、ESGという言葉をもう使わない、と発言しました。投資に環境・社会の要素をもち込む考え方や手法が、政治的な右派、左派どちらの立場においても敵を攻撃する武器と化しているからです。右派は投資に非金銭的な要素を考慮するのは受託者責任に反すると非難し、左派は企業の脱炭素などの動きが鈍いのはESG投資家の努力が足りないからだと言い立てています。米国の大統領選が近づくにつれ、党派色を帯びた口論が強まることは確実でしょう。罵り合いに近い議論に巻き込まれるのを恐れ、取材時はESGのコメントはしない、と条件をつける米国ファンドも増えました。
ESGへの配慮があたり前となりつつあり、もはや、かけ声だけでお金が動く時代ではありません。弊社でも実態を伴った活動することで、企業価値の向上に努めて参ります。