2月も終わろうとしている月末の27日、それも夕刻近くに、上野の東京国立博物館に、特別展協賛会社関係の、ご招待を受け行く機会がありました。
このところ日が長くなったこともあり、夕方6時近くになった上野公園のトワイライトの時間帯は空にはまだグラデーションのかかった群青が残り、街路灯が灯くと、春らしい陽気のせいもあってか、ムーディな気分にさせてくれます。
その余情を引いたまま、博物館の敷地内に入れば、またそこはそこで、いい雰囲気で、会場まで誘導してくれます。
開創1150年記念特別展、旧嵯峨御所「大覚寺」ゆかりの絵画や書、中には刀剣などの国宝や、重要文化財クラスの数々が展示されています。
当日は、一旦閉館した後、一般のお客様がお帰りになった後、ゆっくり鑑賞できるように配慮されたようで、いつもの人の頭越しに観るのとは大へんな違いで、展示物にその時代を重ね合わせ、自分勝手なイメージを膨らませながらの鑑賞なので、2時間はたっぷりとかかったようです。
基本撮影禁止なのですが、一部OKです。撮影禁止のところに、五大明王像とか、この大覚寺で一時期院政を敷いた、後宇多天皇の直筆書(鎌倉時代)とか「膝丸」「鬼切丸」の兄弟太刀があるのですが、ここは残念。
でも、百花繚乱の絵画(襖・障子等に画かれた山水、山鳥図、松鷹図)はどれも大作で、安土桃山から江戸期にかけての、狩野派一門になるものです。ここは撮影OKなので、せめてそれだけでもスマホに納めてきました。
きっと、人も疎らになって会場を出たのは最後の方だと思うのですが、博物館も人気がなくなると、急に淋しさが増幅されるようです。況や公園も夜は街灯も少し減ったように感じます。
上野駅までの路は街灯のない薄暗い林の中もあり、より心細く感じ、きっと実際より距離は感じていたと思います。JR上野駅公園口の明かりが見えたときにはホッとしたことでした。
毎日の仕事に忙しさだけを感じるのではなく、たまに歴史の一編に実物で触れると、なにか教科書で学ぶことのできない臨場感に接することができ、身に沁みてきます。





本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、有難うございます
3月1日夕刊の各紙は一面トップで、「米ウクライナ 協定署名せず」の見出しが躍っていました。
紙面を読み、また夜のTVニュースで、ノーカットのホワイトハウスでの記者団を入れた会談を観ると、これが国を代表する大統領同士の会談かと、落胆させられるような口論となったのには驚きました。
開始40分後、ロシアの2014年のクリミア半島併合を、米国は止められなかったとのゼレンスキー氏の口火から、バンス副大統領の一言が、それまでの穏やかな雰囲気を暗転させ、その後は互いに口論はエスカレートして、関係は修復されず、協議決裂で、物別れとなりました。
一国の大統領でも、こんな言い方をするのかと(字幕と表情で判断)、小生等が普段行うビジネス交渉より、あからさまで露骨だったと思いました。
トランプ大統領は「鉱物資源の取引」が優先で「安全の保障」は後回しのように思えましたし、ゼレンスキー大統領の方は、少なくとも「安全の保証」の確約だけは最低取り付けたかったように思います。それにしても前代未聞の異例中の異例の、展開だったと思います。
小生としても、受け入れられない考え方として、レアアースを今迄のウクライナ支援の返済にすると言うものです。
昨日の、朝のニュース番組でも言っていましたが、ゼレンスキー大統領とEU諸国の関係に対し、米国は大きな海が国境を隔てていることから臨場感がないというゼレンスキー大統領の発言もトランプ大統領の逆鱗に触れたようです。
またウクライナのNATOへの加盟にも反対され、ここでアメリカによる軍事支援も打ち切られたとすると、ゼレンスキー大統領は、現にロシアと戦っているし、まさにこれからどうなるのかと思えば、ホワイトハウスを後にするゼレンスキー大統領の胸中やいかに。
きっと淋しく、心細く感じていたのだと思います。でも欧州首脳らは即ゼレンスキー大統領擁護に回り、ポーランドのトゥスク首相も、EUのフォンデアライエン欧州委員長も、フランスのマクロン大統領も、ドイツのシュルツ首相も異口同音に「あなたは一人ではない」という趣旨の発言をしています。
ゼレンスキー大統領にとっては小生の見たJR上野公園口の明かりのように、ホッとしたのではないでしょうか。
それでは、日本はどうするのでしょうか? しっかり向き合う時が、そう遠くない日に来るような気がします。海で隔たりはあるものの、決して大きな海ではありません。

本日のボンドランチ
一人で食べる孤独のグルメシ