2024.07.16社長ブログ

ANA264便 (その2)

んよりとした曇りで、時々雨の典型的な梅雨空にもどり、気温もそれほどには上がらず、それまでの猛暑・酷暑からは一時的にも避難でき、寝苦しい夜からも少しは解放された3連休の東京でした。

それに引き替え、九州北部福岡や佐賀、長崎には一部で、梅雨の終わり間際にもよく現れる大雨を降らせる、線状降水帯の発生です。長崎では相当な被害が出ている模様です。
それでもスマホで検索すれば、激しく雨の降りしきる中、博多祇園太鼓の音を合図に、オイサッ、オイサッと掛け声も高らかに、まだ明けやらぬ薄暗い中、勢いよく清道を駆け抜ける一番山笠大黒流れの勇姿が動画で配信されていました。

7月1日から始まる博多祇園山笠の祭りの最中、決算等の会社説明会(IR)を6日(土)に行うため、小生らは博多を訪れていたのでした。
後から知れば、その日は絢爛豪華な14もの流れ(グループ)の飾り山笠が公開されていたようですが、そんなこととは露知らずに、IRを済ませて予定通り福岡空港の搭乗口10番から乗り込み、自分のシートに座って少し落ち着き、フライトまで間もなくと、キャビンアテンダント(CA)からのアナウンスもあり、さあ出発と思っていた矢先にわけも判らず、急きょ機外に追い出されるようにして、出たのですが、乗客からはCAの方々に詰め寄る姿も見られました。

そうこうしていると、10番搭乗口のインフォメーションボードには17:35→20:25と表示されると、待合スペースにいる乗客からは「え~」「え~」とあちこちから怒ったような、諦めたような、各種の「え~」が聞こえてきます。
再度クルーに掛け合いに行き、中には強い口調で文句を言っている人もいれば、何か聞いてすぐにその場を、キャリーバッグを引きながら去る人も出てきました。払い戻しのことを聞いて、さっさと判断をされたようです。新幹線にでも乗り換えようと考えたのでしょうか? それでも東京までは約5時間はかかります。
待機している乗客の間でクルーのアナウンスより先に、羽田空港上空は雷雲通過中による悪天候で、落雷により飛行機が着陸できない状況にあるようだと聞こえてきます。すると、まるでそれが聞こえたかのように、サインボードにも「おくれ(雷のため)」が出ました。

本日も小生のブログにアクセス頂きましてありがとうございます。

さすが小生らもこれからどうするかの二人だけの作戦会議を始めました。その前に20:25には間違いなく飛ぶのかを聞きに行くと、CAの女性は、普段の親切さとは少し違う事務的な態度と言葉で、必ずフライトするかは申し上げられないと言います。
さあ、迷うところです。20:25を待つのか、新幹線にするのか、一泊して7日に帰るか。一応、市内のホテルに当たったのですが、どこも祇園山笠でホテルは一杯です。
迷っていると、そこに天の声です。まもなく10分程で機内にご案内するとのアナウンスです。これは助かったと思っているそばからCAの女性達は、グループ分けのポールを作り始めました。このようにして作るのかと感心しているうちに、搭乗となり、以前同様に同じ席に着き、これでもう大丈夫と一安心です。
そこへ今度は機長のアナウンスで、羽田空港上空の雷雲は30分程度で通過するとの情報でしたが、一時間以上はかかりそうなので、羽田の管制塔の指示があるまでそのままお待ちくださいとのことでした。
機内でスマホを見れば雨雲レーダーは、東京地域は真っ赤です。

30分ぐらい経過したでしょうか、シートベルトはしないものの着席していますと、そこへまた機長からのアナウンスです。羽田上空の雷雲は去ったものの、羽田の管制塔と現在連絡が取れず、テイクオフの指示がまだ来ていないと言うのです。
今の時代に、連絡が取れないなんてあるのでしょうか。
羽田上空には多くの飛行機が旋回中で、燃料の少ない機から順に着陸させており、かつ羽田を離陸する飛行機も多数順番待ちをしており、羽田上空は超ラッシュだとも言っていました。
そんな言い訳の、挙句の果てが、一旦機外にて待機するようにと言うもので、またまた機を下ろされてしまいました。CAの女性は降機する折に、竹で編んだカゴに沢山の飴を用意して乗客に勧めますが、それを取ろうとする乗客は、小生の目には誰一人入りませんでした。
機外の待合席に向かう通りすがりに、滅多にない体験なので、機体を窓越しにスマホで撮りました。

今度はCAに詰め寄りもせず10番搭乗口を去る人は続出です。でもフライトを待つ乗客たちは、情報が入らないので、みなさん苛立ち気味です。
そんな時、親に言われたのでしょうか、小さな子供が掛け合いにCAのもとに来て、何か言っています。CAから「お父さんは?」とでも聞かれたのでしょうか、親の方を指さして、しきりに何かしゃべり続けていました。
一方小生らはどんなに遅れようと、この機で東京に帰る覚悟で、翌日が日曜日のこともあって、ゆっくり待つことにしました。
すると20:45にはフライトが確実と言うことを、一緒に行った当社経営企画取締役の相棒から聞いて、10時過ぎには羽田到着しそうと判断し、安堵するとなんだか空腹感を覚えます。

覚悟を決めると妙に落ち着き、時間は充分あるので何か軽食とコーヒーでもと思い、立ち上がると、そこに突然、CAから10分後に搭乗開始とのアナウンスです。「もう本当にどうなっているの!」
食事はやめて、搭乗を待つことにしました。
3度目の正直で今度は飛ぶだろうと妙な確信のもと、同じ機に3度目の搭乗をすると、その後本当に飛んだのですが、座席前のフライトマップをながめていますと、三重県と静岡県上空で何度も旋回し、航路軌跡がこぶのように膨らんでいます。時にはジェット機首が福岡の方に向くこともあり、「おい、戻るのかよ!」と思わせる場面さえありました。

そして、ようやく11:00を回った頃に羽田に着いたのですが、国内線では最終便になったようで、到着ロビーまでの通路には小生ら二人だけで誰一人見かけません。
昼間あれだけ賑わう空港も、深夜にはこんな一面もあるのだと、思いがけない光景を目にした一瞬ですが、一旦外に出れば国外便に向かう、あるいは到着した人達でしょうか、多くのキャリーバッグを引いた人達が行き交ういつもの空港です。

タクシー乗り場の舗道から見渡しても、さき程まで大雨が降っていたとは思えない、しっとりとした、ロマンティックな夜の空港です。


今回はスペースオーバーなので、経済時評はお休みです。

          本日のボンドランチ
         えびフライト豚カツ定食

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