1万円からの投資… 資産形成の第一歩に「i-Bond」が有効なワケ
預貯金なら身近に感じても、投資や資産運用となると、とたんにハードルが高くなると感じて踏み出せない人は多いのではないでしょうか。その理由としては、 「資金がたくさん必要になる」 「少額では、投資をしても無意味」 「難しそう」 などがよくあげられます。
お金の運用は長い期間続けるほど有利
特に、まだ給与などの収入が少ない一方で、出費が多くお金に余裕がない若い世代に、最初の一歩を踏み出せない人が少なくないようです。 しかし、それは実にもったいないことです。 なぜなら、お金の運用は、長い期間続ければ続けるほど有利だからです。
運用によって得られた利益の1回分は小さな金額でも、それを再投資することでさらに利益を生み、長い時間をかけて増やしていくことができます。たとえば、一定期間ごとに利息を元本に組み入れ、その元本に対して利息を計算する方法を「複利」と呼びますが、この効果は投資期間が長ければ長いほど大きくなります。つまり、投資を早くはじめること、そして長い時間をかけるほど有利になるということです。
人生において投資ができる時間は限られています。一般的には、20歳前後から60歳前後まででしょう。その限られた時間の中で前述の複利の効果を最大限に得ようと思うのなら、たとえ金額は少なくてもなるべく早くからお金の運用をはじめるべきではないでしょうか。
「習うより慣れろ」で、実際に運用をすることではじめてわかることもあります。早くからはじめることで(失敗を含めた)経験を多く積めるというメリットもあるでしょう。投資額が少額であれば、万一失敗したとしても損失額は当然小さくて済みます。その意味では、少額での投資は無意味ではなく、初心者であればむしろ少額での投資からはじめるべきでしょう。
少額から購入できる金融商品は増えている
以前は、ある程度まとまった金額がないと投資できない金融商品が多く、少額で運用できる対象が限られていました。しかし、それは昔の話です。現在では、「1万円から(あるいは数千円から)手軽に投資」といったうたい文句で販売されている商品が非常にたくさん存在します。
たとえば、投資信託や株式ミニ投資、外貨FX、あるいは個人向け国債などは以前から人気のある商品です。ロボアドバイザーを使って好みの設定にあわせて投資をしてくれるシステムや、クラウドファンディングの仕組みを使った小口融資商品(ソーシャルレンディング)など、少額から手軽に投資できる新しい商品がどんどん登場しています。
少額投資だからといって「初心者向け、低リスク」とは限らない
少額から運用可能なさまざまな商品が登場して、投資の間口が広がったのはいいことですが、その反面、「結局なにを選べばいいのかわからない」という悩みも新たに生じています。実際、少額ではじめられる資産運用とはいっても、その性質、つまりリスクやリターンはさまざまです。少額からはじめられるからといって、必ずしも初心者向けの商品だとか、低リスク商品というわけではないのです。
そこで、リスク・リターンのタイプに応じて、自分にとって最適といえる商品を見極めることが大切になります。
投資商品には大きく分けて、うまくいけば大きな利益が得られる可能性がある代わりに、元本が大きく減る可能性も同時にある「ハイリスク・ハイリターン」タイプと、元本は保証されている代わりに、大きな利益は見込めない「ローリスク・ローリターン」タイプがあります。
たとえば、前者は株式投資、後者は個人向け国債などがあげられるでしょう。株式投資はうまくいけば投資資金が2倍、3倍と増える可能性もある反面、投資額の半分、またはそれ以下などに大きく減ってしまう可能性もあります。
一方、個人向け国債は、投資元本は保障されていますが、利息は0.05%(2020年1月現在)であり、メガバンク3行の定期預金金利0.01%(2020年1月現在)と比べれば高いとはいえ、「資産を増やす」という観点で見た場合には力不足は否めません。
投資が趣味でリスクも辞さないという人は別として、「少額から資金運用をしたいが、株式投資や外貨FXのような高いリスクは避けたい。かといって、定期預金や個人向け国債のような低い利息では資産を増やすことができない…」と考える多くの人にとって、少額からはじめられる商品あるものの、個々人のニーズに対応する運用先が少なかったというのが現状でないでしょうか。
株式投資などと比較して、極めて低リスクといえる「i-Bond」
これまで述べたような投資や預貯金とは異なり、小額から手軽にはじめられる「ミドルリスク・ミドルリターン」の運用先(=「お金 第3の置き場」)として登場したのが「i-Bond」です。
「i-Bond」は、1口1万円から出資でき、予定分配率は年1.50%(税引前)。たとえば、10万円を1年間預ければ1,500円(税引前)の予定分配金となります。同じ10万円で個人向け国債(固定5年)を購入すると、1年間で得られる利息は50円(税引前)ということを考えれば、「i-Bond」のほうがはるかに高いといえるでしょう。
一方のリスクについては、「i-Bond」は元本保証ではないものの、運営会社による5%の優先劣後があるなど、一般の出資者による出資金は一定の安全性(5%分)が保たれています。株式投資などに比べれば、毎日の変動もなく変動性リスクが低いといえるでしょう。
「i-Bond」は、出資者から集めたお金で不動産物件を購入し、その家賃収入を分配するのが基本的な仕組みです。出資金額は1口1万円単位で、好きなタイミングで、好きな金額だけ出資(募集額の範囲内)できます。出資したお金は置きっぱなしにして、分配金を受け取り続けることもできますし、現金が必要になったらいつでも買取請求して現金化することもできます(入金されるのは5営業日後)。手間なく使えて無理なくお金が増やせる、これまでになかった「お金 第3の置き場」となるのが「i-Bond」なのです。
お金を増やすには、とにかく運用を「習慣化」することが大切だといわれます。たとえば毎月の給料の中から、投資にまわすお金を1万円と決め、「とりあえず置いておく」という感覚で「i-Bond」に出資を続けてみるのもいいでしょう。もし現金が必要になったら、その都度解約すればいいだけです。
さて、ここまで読んでもらえれば、多少でも投資へのハードルも低くなったのではないでしょうか。大きな資産形成につながる第一歩として、まずは少額からお金を運用する習慣からはじめてみませんか?
【次回連載記事】会員登録から購入まで…今すぐはじめる「i-Bond」の簡単申込方法
【前回連載記事】預貯金と投資の間に…「お金 第3の置き場」って何だろう?
取材・文/椎原よしき(ファイナンシャル・プランナー(AFP)、金融ライター)