「i-Bond」の購入に難しい知識やタイミング選びは必要なし
「i-Bond」は、出資者と株式会社マリオンにより、不動産特定共同事業法にもとづいた、不動産特定共同事業契約(匿名組合型)が結ばれて、出資をおこなう商品です。
難しそうに聞こえますが、簡単にいうとまず「匿名組合」という組織を作り、そこに多くの人の出資から資金を集めます。その資金によって共同で賃貸不動産事業を運営し、それら不動産の賃料から得られた収益を分配金として出資者に分けるという仕組みです。
ざっくりいえば、大家さん(株式会社マリオン)にお金を預け、『すべてお任せ』で大家業を代行してもらい、得られた賃貸利益の中から『分け前』として、預けたお金に対して年1.50%(税引前)の利益をもらうというイメージです。
投資する不動産物件の選定や購入、実際の運営・管理は、不動産のプロフェッショナルである株式会社マリオンがおこなってくれる”お任せ”システムであるため、「i-Bond」を購入するにあたり、不動産投資の知識などは特に必要はありません。
また、年1.50%(税引前)という予定分配率については、いつ出資しても変動はなく、投資のタイミングをはかる必要もないといえます。そして、分配金は日割計算(365日分の●日分)で受け取ることができます。
これらの点は、従来の株式投資やJ-REITなどへの投資と大きく異なる「i-Bond」の特徴といえるでしょう。
たとえば株式投資では、銘柄選びの際、財務分析、テクニカル分析などの専門的な知識が必須です。株価は常に動いているため、その投資タイミングによって収益に大きな差が生じてしまいます。
まず会員登録する
前述したように「お任せシステム」であるがゆえ、「i-Bond」の購入も非常に簡易になっています。
まず、Webサイト上で会員登録をします。会員登録の手順は、一般的な金融機関と同様です。会員登録には本人確認書類(免許証の写真など)と銀行口座が必要になるので、あらかじめ用意しておきましょう。
Web上での会員登録の手続きが済むと、株式会社マリオンで確認の後「本人確認キー」が登録住所にハガキで郵送されます。そのキーをWebで入力すれば、会員登録は完了となります。申し込みから会員登録まで、郵便事情にもよりますがおおよそ2、3日という目安でしょうか。
「i-Bond」購入もWebから申し込むだけ
会員登録完了後は「i-Bond」のWebサイトにログインするとマイページが開きます。右上にある「出資申込」ボタンをクリックすると、現在出資可能な商品が表示されます。
ページ下部の「選択する」ボタンをクリック、出資商品説明のページが開きます。「商品」「対象不動産」「リスク」のタブがあり、それぞれ、商品概要、現在投資対象としている不動産、そして出資のリスクについて記載されています。
また、ページの下の方には「重要説明事項説明書(簡易版)」ボタンがあり、クリックすると重要説明事項説明書(簡易版)が表示されます。
簡易版なので、後で表示される正式版に比べて要点がコンパクトにまとまっています。内容は重要なので、必ず目を通して理解しておきましょう。もし仮に「重要説明事項説明書(簡易版)に書かれている内容がまったくわからない」という人がいたら、その人は投資をすべきではないというほど簡易なものです。
それらを一通り確認、「出資する」ボタンをクリックすると、会員登録時に記入した「保有金融資産・投資可能資金」の確認ページが表示されます。変更がなければ、そのまま「次へ(変更なし)」をクリックし、リスクのページの最下部に、出資口数の入力フォームが表示されるので、希望の口数を入力しましょう(1口は1万円)。
「不動産特定共同事業契約約款」と「重要事項説明書」を開くリンクボタンが表示されるのでそれらの書類を読み、「上記内容について全て確認しました」のボックスにチェックを入れ、次のページに進むと、「リスク・投資目的等の確認」ページが表示されます。
それぞれの質問に対する回答を選んで「次へ」をクリックすると、最後の内容確認のページが表示されます。
内容に間違いがないか、再度確認しましょう。問題がなければ「この内容で出資する」をクリックします。「お申込み内容の完了」ページが表示されますので、契約内容を確認しておきましょう。
あわせて、メールで振込先の銀行口座などが記載された「契約成立および振込のお願い」が送られてくるので、記載内容の通りに出資金を振り込こめば出資は完了です(※銀行の振込手数料は出資者の負担になります)。
株式会社マリオン側で振込の確認ができると、「契約成立時書面」がメールで送られてきます。もちろん、その内容も一通り確認しておきましょう。
また、契約成立後は、マイページにログインすれば、いつでも出資の状況を確認することができますし、交付書類も閲覧できます。
資産形成・資産運用がはじめての人でも、i-Bondは会員登録から購入まで、難しく迷うようなところはほとんどないので、スムーズに進めることができるでしょう。
【前回連載記事】1万円からの投資… 資産形成の第一歩に「i-Bond」が有効なワケ
取材・文/椎原よしき(ファイナンシャル・プランナー(AFP)、金融ライター)