2024.02.19社員ブログ

卒業、あるいは自主退学・・・・

 本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 受験シーズン真只中。皆様の身近にも受験生がいらっしゃるかもしれません。中長期的には少子化の影響は避けられず、文部科学省の調査では、例えば、1都3県の小学校で児童数が変わらないのは東京都のみとなっており、神奈川県・千葉県・埼玉県は低学年ほど減っています。難関校や人気校の入試倍率は高いままかもしれませんが、全国的には二極化がすすんでいくのでしょう。物価高で費用も高騰しており、東京都の調査では、私立中学校の3割が授業料や入学金といった初年度納付金の値上げを予定し、平均すると100万円を超えています。

 また、学習塾の学費も上がり、ある大手塾の場合、小学6年生の授業料は夏期講習などを含めて年間150万円に達してるとか。低学年から通わせる保護者も多く、国公立大学の学費よりも高くなってしまうことも珍しくありません。難関校や人気校を中心に合格者を増やしていくことができる塾であれば、学費が高くても受験生や保護者から選ばれていくでしょう。休み返上で勉強してきた受験生たちに、たくさんのサクラを咲かせてあげてもらいたいものです。

 さて、こちらは入学後に卒業、あるいは自主退学ということになるのでしょうか。経営陣が参加する企業買収であるMBO(Management Buyout)が株式市場でのバズワードになっています。昨年後半、大正製薬ホールディングスやベネッセホールディングスの大型案件が注目されていますが、昨年のMBOによる非上場化案件は1.4兆円となり、過去最大となりました。MBOラッシュの要因のひとつが、東京証券取引所による市場改革です。一昨年、抜本的に市場区分を再編し、昨年には、資本コストや株価を意識した経営を上場企業に要請しています。特に後者の効果は絶大で、PBR(株価純資産倍率)を1倍以上にもっていけるアイデアがなく、自分の経営に限界を感じ、非公開化を検討しはじている経営者もいるようです。MBOには、成長を要求する投資家から逃げたというイメージもつきまとうでしょう。

 ただ、実態は必ずしもそうではありません。非上場化によって、事業の変革をスピードと質をもって達成できれば、注力事業への投資を更に加速させることができます。上場していると、目先の利益確保を求める投資家層と、長期的に高成長を目指す経営陣との間には、少なからず目線のギャップが生じてくるでしょう。大正製薬ホールディングスなどが立て直しに成功すれば、非上場化による事業成長が日本でも今後は普通の選択肢になる可能性があります。

 投資家目線でもMBOへの注目は高まっているようです。一般にMBOはプレミアムが上乗せされた価格で買いつけが実施されるため、発表直後は株価が上昇するケースが少なくありません。難易度は高いものの、タイミングによっては個人も大きなリターンが得られる好機といえます。

 日経平均株価は約33年ぶりに節目の3万5000円を突破しました。資本効率の改善が日本株全体のテーマとなる一方で、市場からの圧力に屈して退場を選択する企業が増えることを予想する関係者もいます。到来しつつあるMBOの波のなかで、弊社はこれからも企業価値の向上に尽力して参ります。

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