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令和になって二度目のこどもの日が近づいておりますが、今年2月、世界保健機関、国連児童基金、医学誌ランセットは共同で、世界180ヶ国の子どもたちに関する持続的繁栄指標を公表しました。この指標は生存と成長の2本の柱で構成され、生存は妊産婦死亡率、貧困、5歳以下の子どもの生存率など、成長は教育、発育、栄養、暴力からの保護などから算出されています。生存と成長のスコアをそれぞれ計算し、合計点で順位付けをしました。その結果、第1位ノルウェイ、第2位韓国、第3位オランダとなっています。日本は第7位でした。ノルウェイと日本のスコアを比べると、ノルウェイの生存は満点の1.00、成長は0.90に対し、日本は生存1.00、成長0.88となっています。全体的には、ランキング上位の国でも成長に改善の余地がある結果となりました。また、上位30ヶ国はすべて高所得国です。
この論文では、子どもたちの持続的繁栄と環境の持続可能性を比較するため、この指標と2030年における二酸化炭素の予測排出量の関係にも触れています。予測排出量の少ない上位30ヶ国のなかに、持続的繁栄ランキングが100位以内の国はありませんでした。少ない二酸化炭素排出量で子どもたちの持続的繁栄を実現することは難しいようです。
子どもを取り巻く環境は様々で、場合によっては、経済的な困窮、いじめ、不登校、ひきこもり、障害、虐待といった問題が顕在化し、また、それらのいくつかが複合的にあらわれ、複雑化しているケースも珍しくないでしょう。こうした状況に置かれている子どもたちに対しては、個々の状況に応じたきめ細かな対応が求められています。ただ単に生まれ育った環境だけが原因で子どもの未来が大きく左右されてしまう、これは避けなければなりません。
ここで、子どものときに、あるいは大人になってから、ひきこもりの当事者・経験者となった若者の能力を活用し、事業展開している民間企業(株式会社ウチらめっちゃ細かいんで)の事例をご紹介します。同社は、「誰もが、安心して働ける場を作りたい」、というビジョンの下、2017年12月、東京都千代田区麹町で設立されました。従業員の8割以上がひきこもりの当事者・経験者であり、彼らのもつ細かさを活かすための働きやすい環境づくりに努めています。外出することが難しいという状況を大きく変えることなく仕事ができるよう、業務はホームページやスマホアプリ作成のプログラミングなど、在宅で完結できるものに特化しました。また、同社では教育事業としてホームページ作成などITスキルを習得するための講座を開催していますが、ひきこもりの当事者・経験者が講師のサポートをしており、主に在宅のままでもSNSなどを利用してそれができる体制を整えています。更に、原則として8時30分から21時30分までの間で自由に働けるようにするなど、従業員の自主性にも配慮しました。一方で、出退勤時に自身の体調を簡単な数値(0~100%)で自己申告させ、体調の良し悪しは伝えづらいというストレスを減らし、弱さをみせやすい環境も整えています。
さて、弊社においても、現在おこなっている事業を、子どもや若者にも役立つものにしていくためにはどうすればよいのか、考えていかなければなりません。不動産の賃貸と証券化を通して、いつか皆様にその成果を披露できればと思っています。