2020.06.29社員ブログ

幸福度

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

今年3月初旬、OECDは幸福度白書2020(How`s Life2020)を公表しました。2010年からの10年間、OECD諸国の人々の生活は概ね改善されているものの、不平等は依然として続いており、不安感、失望、断絶といったものが人々に影響を与えています。2010年以降、ひとりあたりの可処分所得はOECD諸国の過半で上昇し、24歳から64歳までの人々の雇用率も平均5ポイント近く上昇しました。また、長時間労働をする人々の減少などが報告されています。更に、OECD諸国の3分の1以上で、生活の満足感が2013年に比べて高まりました。

しかしながら、幸福(well‐being)のすべての側面が改善されているわけではなく、世帯の富の中央値や国際的な科学テストでの生徒の成績は下がっています。2010年以降、住宅取得能力、投票率、所得格差も停滞中です。アンヘル・グリアOECD事務総長は、「改善がみられることから楽観的に考える向きもあるかもしれないが、各国内や国によって差があり、特に環境面では、いまだ危機的状況にある。現在の新型コロナウイルスの流行も、健康だけでなく社会生活にも影響を与えている。各国政府は健康面、財政面の両方で最も脆弱な人々を守る行動を起こさなければならない。未来の幸福を守るために、長期的な保護とリスクに対する準備を構築する以外道はない。」と述べています。白書では人々同士、市民と政府間の両方でみられる断絶感、人々の生活への不安感など、自然・経済・社会的システム全体で将来の幸福を脅かすリスクが出現していることも指摘されました。

さて、幸福度にも甚大な影響を与えている新型コロナウイルスですが、日本では緊急事態宣言が解除され、世間では安心感が流れています。とはいえ、海外ではいまだ猛威を振るっており、日本での再流行も否定できず、新型コロナウイルスとの戦いは長期化するでしょう。ただ、人類はその歴史のなかで、多くの感染症を克服し、進化してきました。今回もいずれこの危機を乗り越え、経済・社会は更なる発展を遂げるに違いありません。

14世紀以降、欧州ではペストが蔓延して当時の人口の3分の1にあたる2000万人が亡くなりました。農民が激減したため、荘園制を軸とする封建制度は崩壊しています。また、疫病に対してなすすべもないローマ教皇の権威は失墜し、封建社会と教会の呪縛から解き放たれたイタリアでは科学技術や芸術が発展しました。これがルネサンスのはじまりです。

産業革命後、欧州では大都市に労働者が集中することで不衛生な貧民街が形成され、様々な感染症が流行し、多くの人々の命を奪いました。これが19世紀に免疫学、細菌学などの近代医学の発展につながり、コレラ、結核、マラリア、ペスト、ハンセン病、破傷風、腸チフスなどの病原菌が発見され、更には注射器、水銀体温計、電子顕微鏡も開発されています。

歴史上、人類は数多くの感染症を克服し、社会の発展につなげてきました。新型コロナウイルス、そして今後出現するであろう感染症に対しても、科学技術の進歩をもって乗り越えていくことでしょう。その過程で企業も進化していくことが期待され、弊社もそれに応えられるよう、事業を展開して参ります。

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