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ちょうど1年前(2019年7月6日)になりますが、大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市にまたがる49基の古墳群(百舌鳥・古市古墳群)が、アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回世界遺産委員会で世界文化遺産に登録されました。49基の過半にあたる29基に立ち入り制限がかかっており、登録への懸念はあったものの、無事にすべての登録に至っています。古墳群のうち最も有名なのは仁徳天皇陵古墳ですが、日本書紀では仁徳天皇(第16代)は143歳で崩御されたとか。古代の天皇が長生きなのは、一説によれば、当時は1年を2つに分けて暦を使っていたという倍暦の影響があるようです。魏志倭人伝には、農耕に適した春から秋までを1年、それ以外を1年とする春秋暦についての記載がなされています。
日本は2008年に人口のピークを迎え、人口減少局面に入りました。平均寿命は男女とも延伸し、世界でもトップクラスの長寿国となっており、急速な少子高齢化がすすんでいます。これは首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)においても例外ではなく、今年から人口減少局面に転じる見込みです。高齢化が急速にすすむなか、単に長生きするだけではなく、健康で生きがいのある生活を送ることができる健康長寿社会の構築が重要な課題となっています。このような状況を踏まえ、高齢者の暮らしに必要な生活機能を確保し、高齢者の生活を支援する「高齢化社会に対応した街づくり・都市機能の確保」、高齢者だけでなく若者や子育て世帯を含めた多世代が交流するなど、生きがいを感じる活力ある場を創出する「多世代交流、高齢者の社会参画による生きがいづくり」、高齢者に適切な運動や食生活を促すことにより、健康寿命の延伸を図る「健康増進の取り組み」といったものが、官民の連携、公的不動産やICTの活用といった様々な工夫を施しながら全国各地でおこなわれているところです。
首都圏における人口の推移をみると、昨年には過去最高の約4428万人を記録したものの、今年には減少局面に転じ、人口減少の時代が本格化するものと見込まれています。一方、人口減少とあわせ、高齢者(65歳以上)人口の急速な増加が予想され、2040年には約3人に1人が高齢者です。東京都及び近隣3県(神奈川県、千葉県、埼玉県)と、周辺4県(茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)の高齢化率(全人口に占める高齢者の割合)の推移をみると、周辺4県では既に全国平均を超えている一方、将来推計人口によれば、今後は特に東京都及び近隣3県においても急激に高齢化がすすむものと見込まれています。
また、首都圏における老人福祉施設の整備状況については、65歳以上人口10万人あたりの定員数をみると、特に東京都及び近隣3県では現時点での高齢化率が比較的低いこともあり、全国平均(2018年444人)に比べ、低く(東京233人、近隣3県241人)なっています。ちなみに周辺4県では400人です。かつて首都圏で整備されてきたニュータウンでは、地域住民の高齢化が一斉に起こることで、いわゆるオールドニュータウン化の問題がすすみ、急激な高齢化の進展によって街としての活力の低下といった課題も生じつつあります。こうした地域においては、高齢者の生活を支えるために必要な施設の不足が見込まれることから、生活機能、医療・介護機能など、高齢者が安心して暮らせるための街づくりや都市機能の確保が急務であることはいうまでもありません。
現在、国土交通省では、不動産特定共同事業をヘルスケア施設の拡充に活用すべく、有識者の意見も踏まえながら、議論を重ねています。2004年から不動産特定共同事業をおこなっている弊社も、これまでの経験を活かし、いずれはヘルスケア施設の拡充に本格的に関与していきたいと考えているところです。