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ちょうど7年前(2013年9月7日)、アルゼンチンのブエノスアイレスにおいて、2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催地を決定する投票が第125次IOC総会でおこなわれ、東京がイスタンブール(トルコ)とマドリード(スペイン)を抑え、選出されました。テレビ中継でその瞬間をご覧になり、日本人スタッフが歓喜に沸く様子を鮮明に覚えている方もたくさんいらっしゃるに違いありません。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で延期になることなど、誰ひとりとして予想していなかったでしょう。
IATA(国際航空運送協会)は7月28日、世界の旅客需要が新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に戻るのは、5月の予測よりも1年遅れ、2024年になるとの見通しを公表しました。予測は有償旅客を運んだ距離を示す有償旅客キロ(RPK)のデータを元にしています。今年の世界の旅客数は前年比55%減まで悪化する見込みです。6月の国際旅客需要の回復には遅れが生じ、前年同月と比較して86.5%減となりました。5月の91.0%の縮小からはわずかに改善されており、これは中国での国内需要の高まりによるものとみられています。
米国では新型コロナウイルスの封じ込めに遅れが生じ、また、いったんは封じ込めに成功した国であっても新たな集団感染が発生してしまいました。新興国ではそもそもウイルスの封じ込めをおこなっていない国もあります。水際対策としての各国の入国制限も世界の旅客需要にとっては大きな足かせです。
経済悪化も影響しています。企業は財政圧迫によって出張予算を大幅に抑えることが見込まれ、これまではGDPと旅客需要の間には強い相関関係がみられたものが、現在のビデオ会議などのツールの普及により、この関係は薄れてきました。また、観光旅行としては、失業への不安や新型コロナウイルス感染のリスクから、IATAの6月の調査結果によると、回答者のおよそ55%が年内には飛行機を利用しないと答えています。更に来年の旅客数も昨年と比較すると約30%減の見通しです。
日本において、国内外の各地を結ぶ航空ネットワークは、地域における観光振興や企業の経済活動を支え、地域活性化に大きな効果を与えるものです。アジアなどの世界経済の成長を国内に取り込み、経済成長の呼び水となる役割が航空に期待されるなか、日本全体の国際競争力や空港の後背地域の競争力強化のため、空港の処理能力向上やターミナル地域再編による利便性向上が図られています。
特に、国際競争力の強化、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催といった観点から、首都圏空港の機能強化は必要不可欠であり、例えば羽田空港については、今年3月29日から新飛行経路の運用を開始し、国際線の発着容量を年間約4万回拡大しました。新飛行経路の運用にあたっては、これまで騒音・落下物対策を実施するとともに、複数回にわたる住民説明会を開催していますが、引き続き、丁寧な情報提供が必要です。また、今般の増枠分は、羽田空港未就航の大都市を多数抱える米国や中国に加え、昼間時間帯の新規就航となるロシア、オーストラリアなど合計9ヶ国・地域に配分しています。
さて、飛行中の飛行機から安定を奪う大気中の不規則な渦のことを乱気流といいますが、企業経営においても、現下のような乱気流の時代にあっては、社会で起こる変化はあまりにも不規則で、予測不可能です。ピーター・ドラッカーは『乱気流時代の経営』のなかで次のように記しています。
「今日我々が直面している時代について、唯一確実にいえることは、それが乱気流の時代になるということである。乱気流の時代にあっては、組織のマネジメントにとって最大の責任は、組織の構造を健全かつ堅固なものとし、打撃に耐えられるようにすることである。そして、急激な変化に適応し、機会をとらえることである。」
「乱気流の時代は、新しい現実を理解し、受け入れ、利用するものに対し、大きな機会を与える。」
6日後の9月13日、弊社は株式上場2周年を迎えます。乱気流を乗り越え、チャンスをつかみ、企業としての社会的責任を果たし続けて参ります。