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昨日は秋分の日(彼岸の中日)。国民の祝日に関する法律では、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」と説明されています。旧法(1878年~1948年)の秋季皇霊祭から改称されました。今年のお彼岸は明後日まで。彼岸と此岸(あの世とこの世)が交流できるとされているこのよい機会に、ご先祖様への思いを馳せ、感謝の気持ちを伝えておきましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大や大規模災害の発生を受けて、遺産を社会のために役立てたいとの思いから、死後に財産の一部を自治体やNPO法人に寄付したいと考えている高齢者が増加しています。こうした要望に沿う形で、財産の一部を寄付にあてる信託商品が登場してきました。遺言書が不要なうえ、財産のすべてを任せる遺言信託に比べ、手数料を抑えられるといったメリットがあります。
遺産を寄付するには、遺言か遺言信託が一般的です。遺言は、すべての財産の相続先を決めたうえで、遺言書を自分自身あるいは公証人が作成しますが、自分で作成する場合、法的効力をもつための書式を守らなければなりません。一方、遺言信託は、遺言の作成や相続時の遺産分割を信託銀行に一括で任せるもので、こちらもすべての財産の相続先を決めなければならず、遺産総額に応じて信託報酬がかかります。
財産の一部を寄付にあてる信託商品としては、例えば、オリックス銀行が昨年4月に取り扱いをはじめました。利用者は生前に100万円単位で2000万円までお金を預けておき、亡くなった場合、保有資産の3分の1相当の額まで寄付に回すことができます。遺言書は不要で、手数料もかかりません。元本は全額保証され、預かったお金の運用益は利用者に還元されます。この商品で寄付ができるのは、現在のところ奈良県生駒市のみとなりますが、今後、対象となる自治体や団体は増加していく見込みです。十六銀行も昨年10月、三井住友信託銀行と共同で同様の商品を販売しました。100万円から3000万円まで1円単位で申し込むことができ、受取人には法定相続人ではない親族なども指定できます。寄付額の上限は200万円となっており、十六銀行の地元である43の自治体などが対象です。死後ではなく、生前に信託銀行経由で寄付できる特定寄付信託と呼ばれる制度も2011年にはじまりました。みずほ信託銀行や三菱UFJ信託銀行は一定額を毎年寄付する商品を用意し、寄付先としてそれぞれ14団体、8団体と連携しています。
前述のような商品を含め、遺贈を活用した寄付への関心は高まっており、日本財団によれば、昨年度の問い合わせ件数は前年度比13%増の1859件でした。寄付を受ける団体が情報発信を積極的におこなっていることなどから、団塊世代が後期高齢者に近づき、未婚者などを中心に寄付を検討する事例が増えているようです。弊社でもいつか、遺産を社会のために役立てたいと考えている方々のご要望に応えられるよう、新商品・サービスの検討をすすめて参ります。