今月20日に総務省統計局から公表された「人口推計2019年(令和元年)5月報」によりますと、
今年5月1日現在の総人口(概算値)は1億2620万人(男性6141万人、女性6479万人)となり、
前年同月比27万人の減少です。
年齢階層別にみると、
15歳未満の年少人口1531万人(男性784万人、女性747万人)、
15~64歳の生産年齢人口7511万人(男性3802万人、女性3709万人)、
65歳以上の老年人口3577万人(男性1555万人、女性2023万人)
となっています。
総人口に占める年少人口、生産年齢人口、老年人口の割合は
それぞれ12.1%、59.5%、28.3%になりました。
生産年齢人口が減少していくなか、企業年金制度等について、働き方の多様化等に対応し、
企業年金の普及・拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を
支援するため、個人型確定拠出年金の加入者範囲の見直しや小規模事業主による
個人型確定拠出年金への掛金追加納付制度の創設、個人型確定拠出年金の
実施主体である国民年金基金連合会の業務追加等の措置を講ずる確定拠出年金法等の
一部を改正する法律が可決・成立(平成28年5月24日)してから3年が経過しています。
平成28年6月3日に公布後、同年7月1日より順次施行されてきました。
日本では、20歳以上65歳未満の人口に対して企業年金・個人年金の加入割合は
4分の1程度に過ぎず、厚生年金被保険者に対する割合でも4割程度になっています。
加入者数の推移をみると、長らく企業年金の中核を担ってきた適格退職年金・厚生年金基金
から確定給付企業年金・確定拠出年金に移行してきましたが、適格退職年金が廃止され、
厚生年金基金が大幅縮小するなか、中小企業の人々の実施率が下がっているというのが実状です。
大企業の実施率の下がり幅はそれほどではないのですが、中小企業とされる従業員300人以下の
企業で企業年金の実施率が減ってきています。
確定給付企業年金の加入者数は、代行返上や解散した厚生年金基金からの新設などによって
最近は増加しているものの、設立件数は減少の傾向です。その一方、企業型確定拠出年金の
加入者数は毎年のように伸びています。確定拠出年金は中小企業にとって利用しやすい部分があり、
また、中小企業に限らず、大企業でも確定給付企業年金から確定拠出年金への移行が
すすんでいるところです。先の改正で、設立条件や必要な手続きを簡素化した簡易型の
企業型確定拠出年金と、企業年金を実施していない事業主が個人型確定拠出年金に
加入している従業員の加入者掛金に追加して拠出できる中小事業主掛金納付制度も導入されました。
働き方の多様化などで企業年金・個人年金を取り巻く環境は大きく変化しています。
非正規雇用の労働者数は年々増加し、その人々に対する退職給付制度の適用割合は
高いものではありません。企業年金でカバーされない、あるいは、その金額水準が
低い人々については、個人の自助努力を可能とする環境整備の重要性が高まるばかりです。
弊社は2004年以降、不動産特定共同事業法に基づいた不動産小口化商品である
マリオンボンド、サラリーマンボンド、そして、今月から販売を開始したi-Bondにより、
その環境整備に努めています。これからも時世を捉えた商品・サービスを提供し続けて参ります。