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総務省統計局が先月23日に公表した人口推計(2020年9月報)によれば、2020年9月1日現在の総人口(概算値)は1億2581万人(男性6122万人、女性6459万人)となり、前年同月に比べて32万人減少しました。総人口を年齢階層別にみると、15歳未満1504万人(男性770万人、女性734万人)、15歳以上65歳未満7461万人(男性3779万人、女性3681万人)、65歳以上3616万人(男性1573万人、女性2044万人)となっています。65歳以上が全体に占める割合は28.7%です。
高齢者が病気になったり、亡くなったりしても、家族がいれば、終末期や死後の各種手続きを任せることができますが、生涯独身や家族と離別・死別していると、難しい場合も少なくありません。厚生労働省の直近の調査では、2015年の65歳以上のひとり暮らしは590万人で、2010年に比べて110万人も増加したとか。2030年には800万人、2040年には900万人に増える見込みです。頼れる人が近くにいないとき、終末期や死後の各種手続きを誰に託したらよいのか、不安に感じてしまうかもしれません。最近では、そういった人向けの終活支援に乗り出す企業や自治体が目立ってきています。
イオンライフは2016年から身元保証サービスをはじめました。一般社団法人と提携し、生前は病院に入院したり、施設や賃貸住宅に入居したりする際の保証人業務などを提供、死後は葬儀・納骨、ライフラインの停止手続きなどをオプションで実施しています。初期費用は83万3333円(税別)となっており、2年目以降は会費として年額9259円(税別)の支払いが必要です。葬儀や納骨などをオプションで頼む場合は別途50万円の預託金を用意しなければなりません。週1回の安否確認や電話での健康相談もしています。契約者は70代が中心で男性が女性を上回り、オプションも含めて契約する人が少なくありません。終活のなかでも身元保証や死後の事務は新しいテーマとされ、同社が昨年に開催した終活フェアでも、身元保証の相談ブースは葬儀や墓よりも多くの人を集めていたそうです。
終活関連サイトを運営する東証1部上場の鎌倉新書は、「いい生前契約」というサービスを提供しています。昨年6月にはじめたものですが、今年に入って内容を見直しました。以前はあった葬儀や墓を外し、現在は死後の手続きと公正証書遺言作成の2つです。料金は24万8000円(税別)からで、行政書士が間に入って死後事務委任契約書と公正証書遺言を作成します。基本プランに含まれる死後の手続きは、保険証、運転免許証、パスポートなどの返納と死亡届の提出です。納税、年金の届出、訃報連絡、葬儀・納骨などはオプションとなり、追加料金がかかります。
自治体の事例としては、ひとり暮らしの高齢者の増加をにらみ、昨年1月、東京都中野区が「あんしんすまいパック」というサービスをはじめました。高齢者向け緊急通報サービスを展開する企業と提携し、見守り、葬儀、家財の片付けといった複数の終活をパッケージにして区民に提供しています。対象は民間賃貸住宅に住む単身者で、年齢は不問です。登録料は税別で1万5000円、月額利用料は1800円となっています。前年の所得が単身高齢者の公営住宅入居資格と同等の256万8000円以下ならば、登録料は中野区が全額補助し、本人の負担は月額利用料のみです。登録することで生前は週2回の電話による安否確認がおこなわれ、また、本人が死亡したときには、不動産の管理事業者や家主が葬儀や部屋の後片付けを手配し、提携先がこれらの費用を最大100万円まで補償します。登録者は70代が多く、男女比は3対2となっています。
今後、少子高齢化がすすむにつれ、解決しなければならない課題も増加していくことでしょう。弊社も微力ながら、その課題のいくつかに立ち向かい、解決策を見出す努力を続けて参ります。