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先週13日になりますが、弊社の決算単信(2020年9月期)を公表しています。売上高3769百万円(前期比37.8%増)、営業利益611百万円(同1.7%増)、経常利益386百万円(同20.1%増)、当期純利益258百万円(同16.6%増)、総資産16079百万円(同3.5%減)、純資産3809百万円(同6.3%増)、自己資本比率23.7%(前期21.5%)となりました。来週27日には会社設立34年を迎え、これからも不動産賃貸とクラウドファンディングを中核に、皆様のお役に立てるような商品・サービスの提供に尽力して参ります。
近年、残念ではありますが、不適切な会計・経理を開示する上場企業が少なくありません。東京商工リサーチの調査によれば、昨年の不適切会計開示企業の社数は、集計を開始した2008年以降で最も多かった2016年の57社を上回る70社に達し、過去最多を更新しました。その内容をみると、6割が、架空売上の計上・水増し発注などの粉飾と企業資産の着服・横領です。発生当事者別では8割が会社とその子会社・関連会社が占めています。
今年に入っても会計不祥事は止まることなく、1月には不二サッシ、ジェイホールディングス、東芝が相次いで連結子会社での不適切な取引や会計処理を公表しました。世間を騒がすことになった2015年の東芝不正会計事件からわずか5年。再度の不祥事発覚に、またなのか、と感じた方も少なくないでしょう。不正会計の発覚は日本だけにとどまらず、6月には、中国の大手コーヒーチェーンの瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)がナスダック上場廃止になり、ドイツのオンライン決済サービスのワイヤーカードが経営破綻しました。
不正会計は企業にとっての麻薬である、ともいわれています。会計数値を操作し、架空利益を計上すれば、一時的には経営的窮地を逃れることができるかもしれません。ただそれは一時的逃避でしかなく、発覚したときには社会的に処罰され、倒産や廃業に至ることもあります。不正の主体が株式公開企業であれば、株主に大きな損害を与えることは間違いなく、仮に株式公開企業でなくても、債権者、取引先、顧客など多くのステークホルダーに不利益を被らせてしまうのが現代の不正会計の特徴といえるでしょう。それでは、これを防止あるいは深刻化する前の早い段階で発見するには、どうすればよいのでしょうか。その答えとして、しばしば監査に期待が寄せられてきました。特に公認会計士による監査は、独立性をもって企業の外部者が実施するものであり、資本市場や社会の目として機能することが求められています。
監査の意義は、不正の発見のみならず、その防止も含まれています。大多数の企業に会計不正はなく、それは監査があることも大きな要因です。会計に限らず、目の届かないブラックボックスでは不正が生じやすいでしょう。また、自らの立ち位置から遠いところには目が届きにくく、そのような場合でも、監査という目があることで、不正は防止され、社会的コストを低減させることが可能になります。弊社でも監査法人、内部監査部門、監査等委員会が連携し、不正の発見・防止に努めつつ、間もなく35年目に入ろうとしているこの会社を、50年、100年、あるいはそれ以上にわたって継続していけるよう、日々努力を重ねて参ります。