早いもので、6月も中旬に入りました。
梅雨明けにはまだ時間がかかりそうですが、その後は本格的な夏の到来となります。
今年も暑い夏になるのでしょうか。
近年、欧米やオーストラリアを中心に、気候非常事態宣言をおこなう自治体が増えています。
この活動の目的は、宣言によって文明、経済、生態系などを守るべく、社会全体の力を
十分な規模で、かつ短期間で結集させることにあります。宣言をおこなった自治体の多くは、
2030年を目途に、二酸化炭素排出量と吸収量が等しい状態となるカーボン・ニュートラルの
実現を目指しているところです。
2016年12月、オーストラリアのデアビン市が世界で初めて気候非常事態宣言を
おこないました。その翌年にはオーストラリアと米国の3自治体が、昨年には英国10自治体と
カナダのケベック州の364自治体など380程度の自治体が宣言をしています。
現在、計8ヶ国の約520の自治体に至っています。英国では昨年11月、西部の港湾都市
ブリストルが同国初の宣言をした後、現在では約100もの自治体が宣言をおこなうなど、
急速に拡大中です。更に、同国では政府レベルの動きも活発となっており、今年4月末に
スコットランド政府が、5月初旬にはウェールズ政府が宣言をおこないました。
そして5月1日、英国議会の下院では、労働党が法的拘束力をもたない気候非常事態宣言を
動議し、議会で採択されています。
こうした急速な動きの背景には、英国をはじめ欧州で気候変動に向けた動きが高まっていることが
関係しているようです。具体的な事例をあげると、今年2月中旬、英国で数千人の子どもたちが
学校を休み、気候変動に対する行動を求めるデモに参加しました。
また、科学者や宗教者によって設立された団体であるエクスティンクション・レベリオン
(絶滅への反抗)が、昨年11月と今年4月にロンドンの主要道路を占拠する活動を
おこなっています。
ところで、世界では約520の自治体が気候非常事態宣言を出していますが、
日本の自治体はまだひとつも参加がありません。どこの自治体が最初に宣言をするのか
注目されるところです。
日本は長期ビジョンとして、今世紀後半のできるだけ早い時期に二酸化炭素排出量を
実質ゼロにすることを掲げています。先月、東京都は、二酸化炭素排出量を2050年に
実質ゼロにする目標を掲げる方針を公表しました。
多分野で国を引っ張っていく存在の東京都ですから、日本初の気候非常事態宣言を
出してくれるのかもしれません。先月、北海道で39.5℃を記録したほか、全国各地で
猛暑となりました。気候非常事態宣言、気温上昇を抑えるための目標、
そしてそれを達成するための行動力こそ、いま何よりも求められているのではないでしょうか。
さて、弊社は、国内で複数の地方自治体様から、所有・管理する物件を借りていただいており、
いまやお取引先の自治体数は70を超えました。そして、自治体職員の皆様が入居されている
物件の一部はマリオンボンド、サラリーマンボンド、i-Bondとして証券化され、
年金・医療・介護・環境のサプリメントとしての役割を果たしています。
将来、上場企業として相応しい、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを
すすめていくなかで、気候変動の改善につながる何かしらの行動を
起こしていくつもりです。