2019.07.08社員ブログ

地域文化や生活そのものが・・・・

 「泰平の 眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯で 夜も寝られず」

最高級緑茶の上喜撰と蒸気船をかけた、歴史の教科書などでもお馴染みの一首ですが、
ちょうど180年前(1853年7月8日)、ペリー提督率いる米国の軍艦4隻が
浦賀に来航しています。徳川幕府の発足以来、日本は鎖国政策をとって諸外国との門戸を
閉じていましたので、ペリー来航が幕府を大きく揺るがしたことは想像に難くありません。

それから時は流れ、2003年4月に政府の観光立国懇談会が、
「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を基本理念として観光立国に取り組むべき旨を
答申して以来、日本における観光政策は、政府一丸となった取り組みの推進によって、
順調に進展しています。

訪日外国人旅行者数については、日本人の国内旅行者数や海外旅行者数が伸び悩むなかで、
2012年以降、戦略的なビザ発給要件の緩和、免税制度の拡充、
戦略的な訪日プロモーションの推進などに関係省庁・機関が一体となって取り組んだ結果、
右肩上がりに増加を続けて2016年には2000万人を超え、昨年は前年比 8.7%増の
3119.2万人と、初めて3000万人を超えました。これに伴い、訪日外国人旅行者の
訪問先も多様化しており、例えば、昨年の地方部における外国人延べ宿泊者数は3636万人と、
2012年比で4.3倍となっており、都市部における伸び(同2.9倍)を大きく上回っています。

昨年の訪日外国人旅行消費額は4兆5189億円に達し、2012年の1兆861億円から
4倍以上に増加しました。日本人の国内旅行や海外旅行を含めた2016年の旅行消費額の
総計は26.4兆円にのぼり、ここから誘発された雇用効果は459万人と試算されています。

これは同年の全国就業者数の6.9%に相当するものです。観光は今や国内経済を支える
基幹産業になりつつあるといっても過言ではありません。観光立国政策を通じて各地域の振興を
図ることは、政府における揺るぎない目標といえるでしょう。

一方で、こうした急速な訪日外国人旅行者の増加も一因として、
一部の観光地では旅行者による混雑やマナー違反などの課題への関心が高まっており、
これに呼応して、オーバーツーリズムに関連する報道もしばしば見受けられるようになっています。

オーバーツーリズムは近年生まれた言葉、考え方です。観光白書では、「特定の観光地において、
訪問客の著しい増加等が、市民生活や自然環境、景観等に対する負の影響を受忍できない程度に
もたらしたり、旅行者にとっても満足度を大幅に低下させたりするような観光の状況」と
説明されています。

従来、観光資源は風光明媚な 風景や名所旧跡に代表されるように、
地域住民の生活とある程度分断されていましたが、近年は地域文化や生活そのものが観光資源となり、
日常的な生活文化を体験する旅行形態が浸透していくことで、住民生活と観光の距離感が近くなりました。

こうした社会的変化を背景に、ポジティブ、ネガティブの両側面において、地域住民の暮らしが
観光から受ける影響は大きくなっています。適切な観光地マネジメントをおこなわないまま、
その地域の住民にとって適正と感じる数より多い旅行者が訪れ続けると、オーバーツーリズムは
深刻化する可能性があるでしょう。

さて、ここでお話は変わりますが、黒船が日本にやってきた1853年7月8日、
後に人類史上最大級の富豪となる人物が米国で14歳の誕生日を迎えました。

石油王ジョン・ロックフェラーです。彼の格言のなかに、「成功の秘訣は、当たり前のことを
特別上手にやればよい。」というものがあります。快適な老後を実現すべく、マリオンの
ボンドを上手に活用しながら、資産形成をすすめていって下さい。

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