2021.05.10社員ブログ

昭和から平成に変わった頃を境に・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

立夏を過ぎ、暦の上では既に夏。私の次男の通う小学校では、運動会の準備に入っています。以前は秋におこなわれることが多かった運動会ですが、元号が昭和から平成に変わった頃を境に、春の開催が増えたようです。理由は、行事が集中するのを避け、できるだけ授業時間を確保しようとするためだとか。また、中学受験を目指す家庭が増えた都心部で、秋の開催は避けて欲しいと、保護者からの要望が強まったことも、要因のひとつだという指摘もあります。秋は受験勉強の追い込みの時期でもあり、勉強に身を入れさせるのみならず、けがなどが受験に大きく響くことを危惧しているからでしょう。更に、春に運動会をおこなうようになった大きな理由として、熱中症対策が挙げられます。地球温暖化に伴い、残暑が厳しい時期に比べ、春に運動会を実施することでリスクを低下させることが可能です。児童・生徒の安全は何よりも優先されるべきで、安全な運動会開催への配慮は欠かせません。

さて、昨年3月、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、学校が全国で一斉休校となり、新年度に入っても休校が継続されたことで、個人間や学校間の教育機会の格差に注目が集まりました。平常時も個人間と集団間に様々な格差はあります。しかし、学習指導要領に沿った授業などによって、公立校であれば、同じような教育機会が提供されていると思われていました。これが、未曽有の一斉休校によって、以前から存在する教育機会の格差が課題として広く認識されるようになっています。また、休校中、自治体と学校現場は利用できる資源に制限のあるなかで、独自にどのように対応するのか、判断しなければならなくなりました。例えば、学校間で情報通信技術の活用を含む休校中の対応に差が生じています。

標準化された学校教育が不在であれば、格差拡大は避けられません。実際のところ、内閣府が昨年5月から6月にかけて実施したインターネット調査によれば、親の世帯収入や居住地によって学校内外でオンライン教育機会を得ていたかどうかに格差がありました。子ども本人が選ぶことのできない初期条件である家庭の世帯収入や居住地という生まれによって、コロナ禍中の教育機会に差があったことになります。

出身家庭の社会経済的地位による学力格差はコロナ禍以前から存在していました。未就学時点で様々な経験の差があり、小学校入学時点で基礎技能に格差があることはデータで明らかになっています。学力が長い月日の積み重ねの結果とするのであれば、既に開いている学力の差が約3ヶ月間の休校で明確に拡大するかどうかはわかりませんが、学力格差の拡大がなかったとしても、コロナ禍が生まれによる教育格差を拡大する可能性は十分にあります。例えば、長引くコロナ不況で親が失職したり、収入が減ったりすることで、諸費用がかかる私立高校を避けるため、入学難易度の低い公立高校を受験したり、大学進学そのものを止めたり、という最終学歴の差の拡大です。

一斉休校だけではなく、長期化するコロナ禍による不景気が教育に与える影響について、今後の長期的な調査研究が求められています。政府は早急に全国を対象とした持続的なデータ取得体制を構築すべきでしょう。そして、こうしたデータの開示が教育機会・学力格差の縮小につながることが期待されています。また、学校教育に直接関与しない弊社のような民間企業であっても、次代を担う子どもたちを、より支援していくために役立つものとなりそうです。

友達にシェア

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア
  • LINEでシェア
  • はてなでシェア
  • ピンタレストでシェア