2021.05.24社員ブログ

使途をみえる化・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

国際幸福デーの3月20日、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワークなどにより、「2021年世界幸福度報告書」が公表されました。今年で9年目となる本報告書の主要テーマは、新型コロナウイルスの流行と幸福との関わりです。昨年の幸福度の世界ランキング(人生に全般的にどの程度満足しているか、という質問への回答)は1位フィンランド、2位アイスランド、3位デンマークという結果(日本は40位)でした。新型コロナウイルスの影響下の昨年と、コロナ前の2017年から2019年の結果を比べてみても、ランキングトップの国々に大きな変化はありません。ここから報告書では、人々の全般的な人生の評価には、驚くべきレジリエンス(困難や脅威に直面している状況下、うまく適応できる能力)が存在している、と分析しています。また、報告書では、新型コロナウイルス対策の成功を支える要素として、社会的信頼、SARSといった感染症の経験、政府のトップが女性であるといった条件を明らかにしています。

こちらも国民の幸福度につながっていくものですが、コロナ禍による医療提供体制への関心の高まりを受け、三井住友信託銀行は先月から医療支援寄付信託の提供をはじめました。寄付信託は2011年の東日本大震災をきっかけに大手信託銀行が注力した領域で、コロナ禍で再び注目が集まっています。医療の発展に私財を投じたい個人と、研究資金を必要とする大学をつなぎ、国内の医療水準の向上を図るものです。

寄付したい人は医療研究を手掛ける東京大学など13の大学(今後、全国の大学に働きかけて寄付先を広げていく予定)から寄付先を選びます。各大学はそれぞれ寄付金の使い道や研究テーマを示しており、例えば東京大学は「がんなどの難病の制圧」、大阪大学は「新型コロナの研究開発」となっています。個人が寄付する場合、どの大学がどういうテーマで研究しているのか分かりづらいという指摘があり、三井住友信託銀行は各大学の寄付金の使途をみえる化しました。これにより、個人が寄付する大学を選びやすくなっています。寄付額は10万円を下限に受け付け、預かった資金は5年間にわたって分割して大学に支払われます。

寄付した人には毎年、寄付先の大学から活動報告書が郵送やメールで送られ、そこには寄付金をもとにどのような研究がおこなわれたのかが記載されるため、資金使途に満足できなければ寄付先を切り替えることも可能です。大学にとっては見込んでいた寄付金が得られなくなる懸念がある一方、適切な活動報告を通じて個人と良好な関係を築くことができれば、追加の寄付金が得られる場合もあります。

コロナ禍の深まりを背景に、医療支援への関心は高まるばかりです。三井住友信託銀行が設けた「新型コロナワクチン・治療薬開発寄付口座」には昨年5月から8月までで2億6000万円の寄付が集まりました。寄付口座の利用者へのアンケートによると、93%が継続的な寄付を希望しており、そのうち73%が医療支援に関心をもっていたそうです。

寄付信託の仕組みは2011年の東日本大震災をきっかけに普及がすすみました。被災地に寄付をしたいという国民感情の高まりを受け、信託の運用益が非課税になる「特定寄付信託」も認められるようになっています。三井住友信託銀行のほか、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行など業界大手を中心に特定寄付信託が設けられ、三井住友信託銀行では今年3月までに特定寄付信託を通じて1億6000万円が寄付されたそうです。

現下、コロナ禍の収束は当面見通せない状況に置かれています。医療提供体制への認識が高まるなか、信託銀行最大手の三井住友信託銀行が医療支援寄付信託を立ち上げたことで、今後、こうした取り組みは広がりをみせていくでしょう。弊社でも各社の事例を参考にしながら、社会に役立つ商品・サービスの提供に努めて参ります。

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