7月も20日を過ぎ、お子様やお孫様が既に夏休みに入っているご家庭も少ないものと思われます。
まだ宿題の心配をする必要もなく、はじまったばかりの長いお休みを満喫しているに違いありません。
今夏、皆様はお子様やお孫様とご一緒に、観光地などにお出かけされるご予定はありますでしょうか。
政府は先月中旬、観光ビジョン実現プログラム2019を公表しました。2016年に政府が
決定した「明日の日本を支える観光ビジョン」のなかで、インバウンド目標として、
2020年に訪日外国人客数4000万人、2030年には6000万人を掲げています。
この目標を実現すべく、今後1年を目途にした具体的な行動計画を
観光ビジョン実現プログラムとして策定し、
11回目となる観光立国推進閣僚会議において決定しました。
このプログラムでは、外国人が真の意味で楽しめる環境整備、地域観光コンテンツの開発、
日本政府観光局とDMO(Destination Management/Marketing Organization=観光資源に精通し、
地域と協同して観光地域づくりをおこなう法人)の適切な役割分担と連携、出入国の円滑化という、4
つの柱を打ち出しています。
外国人が真の意味で楽しめる環境整備では、多言語対応、無料Wi-Fi、キャッシュレスなど
外国人観光客が快適に観光できる環境整備を早急に進めていくことや、
鉄道とバスを一体的に予約・決済できるシステムの整備といったものがあげられ、
また、非常時における外国人観光客の安全を確保する対策も盛り込まれました。
地域観光コンテンツの開発では、国立博物館・美術館の夜間開館、寺泊や城泊、スノーリゾートの再生、
国立公園や公共施設での民間カフェの導入など、地域の既存施設を活用しながら利用者の満足度も
向上させる新たな観光コンテンツの開発があげられています。全国各地の国宝や重要文化財の
展示・活用を推進する日本博の開催も打ち出されました。
日本政府観光局とDMOの適切な役割分担と連携では、日本政府観光局が各地域の魅力を
海外に一元的に情報発信することとし、各自治体とDMOは地域の観光整備を主体的に担うという、
それぞれの役割分担を明確化しています。
出入国の円滑化では、顔認証システムの導入、ビザの緩和、免税店拡大のため、
手続きしやすい電子申請の支援など具体策が打ち出され、また、羽田・成田の両空港の
発着回数の増加、海外から地方空港への直行便の就航促進、観光地の混雑対策も盛り込まれました。
昨年の訪日外国人客数は過去最高の3119万人となって初めて3000万人を突破しています。
6年連続となる過去最高の更新で、2020年の4000万人の目標に向けて堅調に推移している
といえるでしょう。欧州など多くの国が陸路による入国もある一方、海外からの訪日は空路と水路に
限られているとはいうものの、近隣アジア諸国を中心とした諸外国のアウトバウンドが増加するなか、
観光を地方創生の切り札、日本の成長戦略の柱と位置づけ、ビザ緩和や消費税免税制度の拡充といった、
これまでにない大胆な取り組みを実行していることが奏功しています。
弊社も日本の観光立国の実現に少しでもお役に立てるよう、
不動産の分野でどういったかかわり方ができるのかをよく考え、その実行に努めて参ります。