いつのまにやってきたのか、4日後にはもう、東京オリンピックの開会式です。
コロナ禍で、政治、経済、社会が共に混乱するなか、特にインド型変異ウイルスが若者を中心に、感染が拡大している中でのオリンピック開催には、何か高揚感を覚えません。
しかし東京オリンピックが決定した8年前、”おもてなし”宣言した東京は此度、どんなおもてなしをすればよろしいのでしょうか。相手を思いやり、お互いに喜びを分かち合える真心からの、本当のおもてなしができるとよいのですが……
12日にスタートした緊急事態宣言ですが、小池都知事が都内の繁華街を回り、人流の多さに危機感を感じると云っています。一方、都民は毎日の天気予報のように、毎日TVで伝えられる感染者数や、何遍も出される宣言に慣れてしまい、危機感はだいぶ薄くなっているようです。
このままのペースで進むと、オリンピックが終わる頃には感染者が都内で1日2,000人近くになるのではと予測する専門家の先生もおられます。
宣言が発令される前日、当社の社員が約1ヶ年に及び、仕事帰りに練習を積んだと云う、コンサート形式で上演されるモーツァルトのオペラ「魔笛」を、何人か連れ出って観に行きました。それがオペラ素人の小生ら皆を感動させる優れもので、後日プロの批評家からも褒められたそうです。
到着時、会場には多数の人が列をつくり並んでいます。一席離れで、二階席まで相当入り、300人はいましたでしょうか。観客席を見渡せば女性が多く、舞台に目をやれば、オーケストラが中間にいても、主演者達はマスクなしで演じますので、前席8列まで空席となっていました。全2幕で3時間近く上演します。よく、あんな声が出るものだと感心しながら、言葉は解からず(古いドイツ語)とも、字幕スーパーで文字を追いながらでも十分物語は理解できます。
撮影禁止でしたが、何度も何度ものカーテンコールの合間に撮らせてもらいました。
ただオーケストラまで入れれば100人以上の出演者がいるでしょう。席は一人おきで観客数から考えても、一回公演ですから、一枚3,000円全席自由のチケットでは赤字だろうことは了解できます。
劇が終わって会場を出ようとしたとき、大音響のドラムスのような雷と共に、大粒の雨が一時、前の路を川にするぐらい降ったのですが、やがて小降りになったのを見定めて、駅まで皆で走りました。新宿で皆と別れ、雨もさいわい上がった様子なので街へ出れば、雨上がりの東の空には雲の切れ間から青空がのぞいています。
東京もいよいよ梅雨明けかと思いきや、16日(金)までお預けでした。
小生にとってはモーツァルト「魔笛」を観劇して、非日常を味わいましたが、どうしても赤字公演であったろうことが気掛かりでなりません。
本日も、小生のブログにアクセス頂きまして、ありがとうございます。
1964年の前回東京オリンピックが終わると、途端に日本は深刻な赤字に見舞われます。「いずれ公債発行に踏み切らなければならない」と云ったのはオリンピックの翌年、田中角栄氏から蔵相を引き継いだ福田赳夫氏でした。
さて、国債には建国国債と税収が足りなくなって特例法をつくって穴埋めする赤字国債の2種類があります。ですから、それまでタブー視されていた赤字国債の発行に道を開き、不況時には国が借金してでも、積極的に財政出動する、赤字国債の仕組もその時できました。
1929年(昭和4年)に大蔵省に入省した福田赳夫氏は、高橋是清氏が積極財政で世界恐慌から日本経済を救い出す姿を目の当たりにしていたのでした。
不況時に財政を拡大して、景気が良くなれば歳出を抑えると云うこの一体となった政策を踏襲して当時の福田蔵相は赤字国債発行に踏み切ったのです。
現政府は、2020年度にコロナ対応で3度の補正予算を組み、総額で約90兆円近い赤字国債を発行しています。今もコロナ禍は続いていて、本当はオリンピックよりコロナ危機を克服するのが最優先だろうとは個人的には思っています。今は仕方ありません。借金に借金を重ねてでも国民の命を守らなければならない時だと思います。死んで花実は咲きません、命あっての物種です。
ただいつかくる財政再建に向けた増税や一時的不況は覚悟しておくべきかもしれませんね。
梅雨が明けて、灼熱の太陽に焼かれた街路樹の葉の脇には、オリンピック旗が熱風を受けながらもなんとか頑張っているようです。
本日のボンドランチ
赤汁 坦々麺 辛い!!